令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問28 解説 合成樹脂管工事
合成樹脂管工事に使用する材料と管との施設に関する記述として,誤っているものは。
- イ. PF管を直接コンクリートに埋め込んで施設した。
- ロ. CD管を直接コンクリートに埋め込んで施設した。
- ハ. PF管を点検できない二重天井内に施設した。
- ニ. CD管を点検できる二重天井内に施設した。 ✓ 正答
解説
この問題の正誤を分けるポイントは、PF管とCD管の「許容される使用場所」の決定的な違いを暗記しているかどうかです。結論から言うと、CD管は自己消火性がなく燃えやすいため、火災延焼のリスクがある場所での使用が制限されています。
燃えにくさと設置場所の関係
合成樹脂管には大きく分けてPF管(自己消火性がある)とCD管(自己消火性がない)の二種類があります。
PF管は合成樹脂管の中でも難燃性の材料で作られており、火がついても自己消火する能力があります。そのため、コンクリート内への埋め込みだけでなく、露出配線や点検できる天井裏など、幅広い場所での使用が認められています。
一方のCD管は、Conduit(管)+Duct(電線管)の意味ですが、このDはCombined(コンクリート埋設用)を指すと覚えると非常に理解が早いです。CD管は自己消火性がないため、もし火災が発生した場合に天井裏などで燃え広がる危険性があります。そのため、法律上は「コンクリートに直接埋め込んで施設する場合」のみに用途が限定されています。したがって、点検できるかどうかにかかわらず、天井内(露出状態)に施設することは禁止されています。
合否を分ける知識の整理
この問題は、試験のたびに「どちらがどこに使えるか」を問う非常に典型的なひっかけ問題です。
- PF管:コンクリート埋設OK、露出配線OK、天井内OK(オールマイティ)
- CD管:コンクリート埋設のみOK(それ以外はNG)
試験会場では「CD管=コンクリート専用」というフレーズを脳内で反射的に引き出せるようにしておくことが重要です。選択肢二のように「点検できるから大丈夫だろう」と判断してしまうと、安全基準の罠に落ちることになります。この制限はあくまで材料が持つ「延焼性」という物理的な特性に基づいて定められているため、設置環境がオープンであるかどうかは判断基準になりません。
現場での活用と設計思想
第一種電気工事士が現場で配管材料を選定する際、この知識はコストと安全のバランスを考える上で不可欠です。CD管はPF管に比べて安価で柔軟性に富んでいますが、その分、露出配線ができないという制約があります。
もし、施工中に「天井裏でPF管が足りないから、少し安いCD管で代用しよう」という判断をしてしまうと、これは法令違反となります。将来的に電気設備が更新されたり、万が一の漏電による火災が発生したりした際、CD管が延焼の経路となって被害を拡大させる恐れがあるからです。この問題は、単なる暗記項目ではなく、「火災対策という設備設計の基本」を問うているという認識を持つことが、実務者としての信頼に繋がります。