令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問17 解説 水力発電出力計算
有効落差100m、使用水量20m³/sの水力発 電所の発電機出力[MW]は。 ただし、水車と発電機の総合効率は85%と する。
- イ. 1.9
- ロ. 12.7
- ハ. 16.7 ✓ 正答
- ニ. 18.7
解説
出力の計算式 に、与えられた数値を代入してkWを求め、最後に1000で割ってMWに変換します。
水力発電の出力公式と物理的背景
水力発電の出力は、水が高いところから低いところへ落ちる際の「位置エネルギー」が電気エネルギーに変換される仕組みを利用しています。この物理現象を電力単位に直した基本式が以下です。
[kW]
ここで、各記号の意味は以下の通りです。
- : 発電機の出力 [kW]
- : 重力加速度 [m/s²]
- : 使用水量 [m³/s]
- : 有効落差 [m]
- : 総合効率(水車効率 × 発電機効率)
この式の9.8という数字は、水1m³(=1トン)が1m落下する際に持つエネルギーをkW単位に換算するための定数です。水の質量(トン)に重力加速度(9.8)を掛けることで、エネルギー(kW・s)へと変換しています。
計算のステップ
今回の問題では、数値が以下のように与えられています。
- 有効落差 [m]
- 使用水量 [m³/s]
- 総合効率 (85%)
まず、基本式に代入してkW単位の出力を計算します。
[kW]
問題文で求められている単位は[MW]です。1MW = 1000kWであるため、得られた値を1000で割ります。
[MW]
選択肢を見ると最も近い値は16.7ですので、正解は「ハ」となります。
試験におけるこの知識の立ち位置
この問題は、電気設備技術者として「どれくらいの規模の水力発電所が必要か」という設計や計画の基本を問うものです。実際の現場では、河川の流量データ(Q)と地形的な落差(H)から発電所の規模を推定し、そこにタービンの特性や発電機の効率()を掛け合わせて現実的な供給電力を算出します。
試験対策としては、単なる代入計算だけでなく、単位の変換(kWからMWへの変換など)でミスをしないことが重要です。また、効率()がパーセントで与えられる場合、必ず小数(85%なら0.85)に直すことを忘れないようにしましょう。この公式は水力発電の計算問題の基礎中の基礎であり、毎年必ずといってよいほど出題されるため、確実に得点源にすべき分野です。