令和4年度 第一種 筆記試験 午後 問15 解説 分電盤の機器
写真に示す住宅用の分電盤において、矢印部分に一般的に設置される機器の名称は。
- イ. 電磁開閉器
- ロ. 漏電遮断器(過負荷保護付) ✓ 正答
- ハ. 配線用遮断器
- ニ. 避雷器
解説
住宅用分電盤の構成において、最もサイズが大きく、電力会社の引込線から入ってきた電力を各分岐回路へ分配する役割を持つ「主開閉器」の位置を確認することで解答できます。写真で示された中央左側の大きなスペースには、住宅全体の電気をまとめて管理する漏電遮断器が収められるのが標準的な配置です。
住宅用分電盤の構成と主開閉器の役割
住宅用分電盤は、電力会社から供給される電気を各部屋の照明やコンセントへ振り分ける司令塔です。写真において矢印が指している部分は「主開閉器(メインブレーカー)」を設置するためのスペースです。
住宅においてこの主開閉器には、単なる回路のON/OFFだけでなく、以下の2つの機能が同時に求められます。
- 過負荷保護:契約電流を超えた電気の使用や短絡(ショート)時に回路を遮断する。
- 漏電保護:配線や家電製品の劣化により電流が漏れた際に、感電や火災を防止するために回路を遮断する。
このため、住宅用分電盤の主開閉器には、過負荷保護機能付きの漏電遮断器(漏電ブレーカー)を用いることが一般的です。
選択肢を切り分ける判断プロセス
試験問題として各選択肢の特性を整理すると、迷わずに回答へたどり着けます。
- 漏電遮断器(過負荷保護付):主幹として設置し、住宅全体の安全を守る。本問の正解です。
- 配線用遮断器:主に分岐回路用として使用され、過負荷保護機能はあるものの漏電保護機能はありません。主幹に使うと漏電検知ができません。
- 電磁開閉器:主に電動機(モーター)などを遠隔操作するための機器であり、家庭用の主開閉器としては使いません。
- 避雷器:雷サージから機器を守るためのものであり、開閉器の機能は持たず、あくまで保護デバイスとして設置されます。
実務における重要性と教育的意図
この問題は、単なる名称当てではなく「住宅の電気設備において、どの機器がどのような範囲を保護しているか」という系統的な理解を問うものです。
電気工事士の現場では、分電盤を開けた瞬間に、どれが主幹でどれが分岐回路か、またその機器に漏電保護機能があるかないかを外観(レバーの色やテストボタンの有無)で即座に判断する必要があります。特に、住宅の改修工事では、既存の分電盤が正しく選定されているかを確認することが安全管理の第一歩となります。この基礎知識を確実に身につけておくことは、工事の設計や検査を行う上で極めて重要です。