令和3年度 上期 筆記試験 問43 解説 CVTケーブル構造
③で示す部分に使用するCVTケーブルとして、適切なものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
CVTケーブルの構造を問う問題では、名称のアルファベット構成を分解して、それぞれの要素が図のどこに対応しているかを照らし合わせるのが正解への最短ルートです。
CVTケーブルの名称が意味する構造
CVTという名称は、それぞれのアルファベットがケーブルの主要構成要素を表しています。
C:Cross-linked polyethylene(架橋ポリエチレン絶縁) V:Vinyl sheathed(ビニルシース) T:Triplex(3個の単心ケーブルをより合わせた構造)
この名称から、中心から外側に向かって「導体」→「架橋ポリエチレン絶縁体」→「ビニルシース」という層構造を持っていることが分かります。ただし、高圧ケーブルとして使用される場合や特定の条件下では、電界の乱れを防止するために「半導電層」や「銅シールド」が含まれるのが標準的な設計です。
今回の選択肢において「CVTケーブル」として提示されている図を比較すると、イは3本の単心ケーブルがより合わされており、かつ個々の心線が内部半導電層、架橋ポリエチレン絶縁体、外部半導電層、銅シールドという適切な層構造で保護されています。
構造の判別プロセス
問題の図を選ぶ際は、以下の順序で絞り込みを行います。
3本のケーブルがより合わされているかを確認する 選択肢イ、ロ、ニが該当します(ハは3芯一括のVVRやCVなどに近い構造であり、CVTのTであるより合わせ構造と異なります)。
絶縁体と遮蔽層の構造を確認する CVTは高圧や特定の環境下で用いられる場合、心線ごとに銅テープや銅線によるシールド(銅シールド)と、その内側の半導電層が必要です。選択肢イでは、導体の周囲に内部半導電層、架橋ポリエチレン、外部半導電層、銅シールドが正しく配置されており、これが高圧・高機能なCVTケーブルの正確な断面図となります。
なぜこの知識が実務で重要なのか
第一種電気工事士の試験において、このような構造図の理解が求められるのは、現場での接続作業やケーブル選定において「どの部分が絶縁体で、どの部分が遮蔽層か」を明確に判別する必要があるからです。
特にCVTケーブルは、高圧受電設備において非常に頻繁に用いられます。末端処理を行う際、外部半導電層を適切に処理(除去)し、銅シールドを接地しなければ、絶縁破壊や事故の原因となります。図面を見るだけでその構造を瞬時に理解できる力は、単なる知識ではなく、実際の施工現場における安全確保のための必須能力といえます。