第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問30
certification-simodake-work

令和3年度 上期 筆記試験 問30 解説 GR付PASの特性

①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)に関する記述として、不適切なものは。

  1. イ. GR付PASは、保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として用いられる。
  2. ロ. GR付PASの地絡継電装置は、波及事故を防止するため、一般送配電事業者との保護協調が大切である。
  3. ハ. GR付PASは、短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため、過電流ロック機能が必要である。
  4. ニ. GR付PASの地絡継電装置は、需要家内のケーブルが長い場合、対地静電容量が大きく、他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には、地絡過電圧継電器を設置することが望ましい。 ✓ 正答

解説

高圧受電設備の構成図から各機器を特定する問題は、図の全体像(引込から受電盤まで)を頭の中に描き、それぞれの機器がどのような役割を担っているかを理解することで確実に得点できます。

この種の問題では、まず図の左端から右側へと電気の流れを追い、それぞれの「名称」と「図記号」を一致させるプロセスが重要です。

高圧受電設備における機器の配置構成

高圧受電設備は、電力会社から供給される高圧電力を構内で利用するために必要な一連の設備です。今回の図は、架空引込線から電柱上のPAS(高圧交流負荷開閉器)、地中配線を経て、受変電設備に至る標準的な経路を示しています。

図中の番号が指し示す役割を整理すると以下のようになります。

(1) PAS(高圧交流負荷開閉器):電柱上に設置され、構内での事故時に電力系統への波及事故を防ぐための保護装置です。 (2) 引込用ケーブル:電柱から建物へ電力を送り込むための電線です。 (3) 地中埋設管(または防護管):ケーブルを損傷から守るために地中に埋められる管です。 (4) 主遮断装置:キュービクル内部にあり、負荷側の事故や保守点検時に主回路を遮断するための装置です。 (5) キュービクル(受電設備全体):変圧器や計器類を収容する外箱です。

機器名称を特定するための思考プロセス

各機器を見分けるための最短ルートは、記号や図からその機能的特徴を抽出することです。

例えば、電柱上の「PAS」であれば「GR付(地絡保護)」や「VT、LA内蔵」といったキーワードがヒントになります。また、機器配置図の「T」は変圧器、「VCT」は変成器付計器用変成器を表しており、これらは受電盤(キュービクル)の内部に収められる主要機器です。

選択肢から正解を選ぶ際は、図に描かれている配置から「これは引込口に近いのか、盤の中にあるのか」という視点を持つことが重要です。試験問題において特定の番号を問われた場合、その図形がどのような機能的役割を果たすかを言葉で説明できるレベルまで知識を定着させておく必要があります。

現場実務における重要性

この知識は、実際の電気工事士として現場に出た際、単線結線図を見て設備全体の構成を理解するために不可欠です。どの機器がどの順序で配置され、どのような保護協調が図られているかを知っておくことで、故障診断や改修工事の際、安全かつ迅速に作業を進めることができます。

特にPASや遮断装置の役割は、保安管理の観点から非常に重要です。試験対策としては、単に名前を覚えるだけでなく、それぞれの機器が動作したときに何を守るためのものなのかという「目的」を意識しながら学習してください。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう