第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問14
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令和3年度 上期 筆記試験 問14 解説 IH調理器の加熱原理

設問図

写真で示す電磁調理器(IH調理器)の加熱 原理は。

  1. イ. 誘導加熱 ✓ 正答
  2. ロ. 誘電加熱
  3. ハ. 抵抗加熱
  4. ニ. 赤外線加熱

解説

電磁調理器(IH調理器)というキーワードを見た瞬間に「電磁誘導」と「誘導加熱」をセットで想起することが正解への近道です。選択肢の中で誘導加熱のみがこの原理を指しているため、直ちに「イ」を選択します。

加熱原理のメカニズム

誘導加熱(Induction Heating)は、電磁誘導の法則を利用した加熱方式です。IH調理器の内部にはコイルが配置されており、そこに高周波電流を流すことで、コイルの周囲に強力でかつ変化の速い磁界が発生します。

この磁界の中に金属製の鍋を置くと、鍋底には磁界の変化を打ち消そうとする方向に渦電流(うずでんりゅう)が流れます。この渦電流が鍋という抵抗体の中を流れることでジュール熱が発生し、結果として鍋そのものが発熱します。ヒーター自体が高温になるわけではなく、鍋底が直接発熱するという点が非常に効率的で安全な加熱方式とされる所以です。

誤った選択肢の見極め方

他の選択肢にある加熱方式と比較することで、より確実な知識として定着します。

  • 誘電加熱:主にプラスチックや木材などの絶縁体(誘電体)を加熱する方法です。高周波電界をかけることで分子を振動させ、その摩擦熱を利用します。IH調理器とは対象が異なります。
  • 抵抗加熱:ニクロム線などに電流を流し、ジュール熱で加熱する方法です。電気ストーブやトースター、電気コンロなどが該当します。
  • 赤外線加熱:赤外線の輻射熱を利用して対象物を加熱する方法です。ラジアントヒーターなどがこの原理に近い加熱方式です。

電気工事士がこの知識をどう活かすか

電気工事士の実務において、IH調理器は住宅のオール電化工事や店舗の厨房設備設置などで頻繁に扱う機器です。

設置にあたっては、誘導加熱という原理から生じる特性を理解しておく必要があります。例えば、IH調理器が磁界を利用して動作するため、使用可能な鍋には制限があること(磁性体である必要があること)や、強力な磁界が発生する機器であるという性質を知っておくことは、施工後の顧客への説明やトラブル対応において不可欠な視点です。

また、電気設備技術基準において、電磁調理器を含む電気機器の回路は、適切な容量の専用回路として設けることが求められます。機器の仕組みを理解していることは、適切な配線設計や負荷計算を行うための基礎能力となります。

参考リンク

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