第一種電気工事士試験 / 令和3年度 上期 筆記試験 / 問4
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令和3年度 上期 筆記試験 問4 解説 交流回路の力率

設問図

図のような交流回路の力率[%]は。

  1. イ. 50
  2. ロ. 60
  3. ハ. 70
  4. ニ. 80 ✓ 正答

解説

この問題は、直列回路のインピーダンスを求め、抵抗の割合を計算することで解きます。手順は以下の通りです。

  1. 合成リアクタンス X=XLXCX = X_L - X_C を求める
  2. インピーダンス Z=R2+X2Z = \sqrt{R^2 + X^2} を求める
  3. 力率 cosθ=R/Z\cos\theta = R / Z を計算する

今回の値は R=4[Ω]R = 4[\Omega], XL=6[Ω]X_L = 6[\Omega], XC=3[Ω]X_C = 3[\Omega] なので、X=63=3[Ω]X = 6 - 3 = 3[\Omega] となります。したがって Z=42+32=16+9=5[Ω]Z = \sqrt{4^2 + 3^2} = \sqrt{16 + 9} = 5[\Omega] です。力率は 4/5=0.84 / 5 = 0.8 、つまり 80[%]80[\%] となります。

インピーダンスと力率の関係

交流回路において、抵抗 RR、誘導性リアクタンス XLX_L、容量性リアクタンス XCX_C が直列に接続されている場合、回路全体のインピーダンス ZZ は、抵抗とリアクタンスのベクトル合成によって決まります。

リアクタンスは位相を変化させる性質があり、XLX_L は電流の位相を遅らせ、XCX_C は進める方向に働きます。これらが直列に入っている場合、互いに打ち消し合うため、合成リアクタンスは XLXC|X_L - X_C| となります。

力率 cosθ\cos\theta は、「回路全体に供給される電力のうち、実際に有効な電力(抵抗で消費される電力)が占める割合」を指します。インピーダンス三角形の辺の比率から、常に cosθ=R/Z\cos\theta = R / Z という式が成り立ちます。

直角三角形として捉える

この問題を解く際は、頭の中で 3:4:53:4:5 の直角三角形を描くのが近道です。 抵抗を横軸、リアクタンスを縦軸にとると、インピーダンスはその斜辺となります。今回のケースでは、底辺が 44、高さが 63=36-3=3 となる三角形を想定します。斜辺が 55 となる有名な「ピタゴラスの数」です。

試験会場で Z=42+32Z = \sqrt{4^2 + 3^2} を計算する際、3:4:53:4:5 の比率を覚えていれば、迷わずインピーダンスを 55 と導き出すことができます。力率の定義式 cosθ=R/Z\cos\theta = R / Z に当てはめれば、4/5=0.84 / 5 = 0.8 という数字が自動的に導かれます。

回路設計における力率の重要性

力率は電気設備を扱う現場において非常に重要です。力率が低いということは、見かけ上の電力に比べて実際に仕事をする有効電力が少ないことを意味します。この場合、電流だけは余分に流す必要があるため、電線や変圧器に無駄な負担をかけ、電力損失が増大します。

実務では、モータなどの誘導負荷によって力率が低下することが多いため、進相コンデンサを挿入して力率改善を行います。この問題のように XLX_LXCX_C が共存する回路は、まさに力率を改善するための基本的な原理を表しており、電気工事士としてこの計算を自在に行えることは、効率的な電気設備を設計・運用する上での必須スキルといえます。

参考リンク

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