令和3年度 下期 学科試験 問48 解説 計器用変成器の結線
⑧で示す部分に施設する機器の複線図として、正しいものは。
- イ.
- ロ.
- ハ.
- ニ. ✓ 正答
解説
計器用変流器(CT)の二次側回路に関する問題です。解く際のポイントは「二次側の接地」と「端子接続の正しさ」の2点です。CTの二次側回路には必ず接地工事を施す必要があり、かつ結線図として電気的に一筆書きで正しく回路が構成されているものを選びます。
CT二次側回路の安全な施設
計器用変流器(CT)は、高圧回路の大電流を計器や継電器が扱える小さな電流に変換する機器です。この二次側回路は、もし一次側と混触した場合に高電圧が計器にかかり、作業員が感電する危険性があります。これを防ぐために、電気設備の技術基準ではCTの二次側回路には必ず接地を施すことが定められています。
選択肢を見る際、まず「接地が記されているか」を確認します。これにより、接地のない選択肢(ロ)を即座に除外できます。
複線図の読み方と接続端子
CTには一次側極性(L1, L2)に対応する二次側の端子(k, l)があります。複線図を読み解く際は、k端子とl端子の接続が正しくループ状(または計器経由の回路)になっているかを追いかけます。
試験に出る基本的な結線として、以下のルールを意識してください。
- 二次側回路のどこか一箇所を接地する(一般的にはl側)。
- 計器を接続する際は、極性が逆にならないようkとlを正しく導線でつなぐ。
- 二次側回路を開放するとCTが異常発熱し焼損する恐れがあるため、回路は常に閉路の状態にする。
この問題では、ニの図がl側で適切に接地されており、かつkとlの接続関係も標準的な仕様に適合しています。ハなどは、接地端子の取り方が不適切であったり、回路構成が複雑化しすぎているため不正解となります。
実務と教育的意図
この問題は、単に試験に合格するための知識を超えて、現場で最も重要な「安全管理」に直結しています。電気工事士として配電盤内の計器を扱う際、CTの二次側開放は絶対の禁忌です。この試験問題は、回路の正しい書き方を通じ、「CTの二次側は必ず閉路とし、かつ接地を忘れてはならない」という安全上の原則を刷り込むための構造になっています。
実際にCTを扱う際は、計器の交換時などで一時的に回路を短絡させる「テストターミナル」を使用します。試験で問われる複線図の基礎は、将来このような現場機器を操作する際の回路理解の土台となるものです。