令和3年度 下期 学科試験 問43 解説 計器用変成器の電線数
③の部分の電線本数(心線数)は。
- イ. 2又は3
- ロ. 4又は5
- ハ. 6又は7 ✓ 正答
- ニ. 8又は9
解説
電流計測回路の配線数を読み解く
この問題は、三相回路において電流計を切り替えて使用するための計器用変流器(CT)の二次側結線数を問うものです。正解を導くための鍵は、三相交流回路において、3つのCTの二次側出力をどのように共通化し、切替スイッチへ送るかを理解することにあります。
標準的な回路構成では、3つのCTの二次側出力(各相の電流)と、共通線(コモン)が必要となります。通常、3つのCTの二次側は「スター結線」のように一点で共通化し、そこから測定器側へ引き出します。このとき、3つのCTの出力線3本+共通線1本の合計4本が基本となりますが、試験で問われる「③の部分」は、往復の配線やスイッチとの兼ね合いを含めた、実務上の多芯ケーブルの選定を想定しています。
計器用変流器(CT)の二次側回路の仕組み
計器用変流器(CT)は、大電流を計器が扱いやすい小電流に変換する機器です。三相回路の電流を測定する場合、一般的には3相すべてにCTを設置します。
CTの二次側端子は一般的にk端子とl端子と呼ばれます。回路構成として、3つのCTのl端子側を一点で接地し共通線とします。そして、それぞれのk端子から信号線を取り出します。これらを取り出し、電流計切替スイッチを経由して電流計へ接続することで、1台の電流計で各相の電流を順次確認できるようになります。
このとき、ケーブルの心数を数える際には、単純な信号線だけでなく、回路の保護接地や、必要に応じて補助接点を含めた数え方を考慮する必要があります。選択肢が「6又は7」となっている理由は、単なるCTの出力線だけでなく、予備線を含めたケーブルの規格(一般的に6芯や7芯のケーブルが用いられる)を反映しているためです。
結線図を読み解く思考プロセス
試験問題の図面を確認する際は、以下のステップで線を追います。
- CTの設置個所を確認する:三相3線式であれば、通常は2個または3個のCTが使われています。
- 共通線の所在を追う:CT同士のどこで結線がまとまっているかを確認します。
- スイッチとの接続を追う:電流計切替スイッチには、3相分を切り替えるための端子群があり、そこに何本引き込まれているかをカウントします。
- ケーブルの仕様を考慮する:図面上の記号が示す通り、実務では必要な本数に予備線を加えた多芯ケーブルが選択されます。選択肢を見て、計算上の本数に収まる最小のケーブル構成を選びます。
この問題の意図は、単なる回路図の読み取り能力だけでなく、施工現場でどのようなケーブル構成が標準的であるかという知識を問うことにあります。
実務における配線設計の重要性
この知識は、受変電設備の設計や保守点検において極めて重要です。特に、電流計切替スイッチを用いた盤内配線を行う際、ケーブルの心数が足りなければ信号が正しく伝わらず、最悪の場合はCTの二次側を開放してしまい、高電圧が発生して機器の焼損や感電事故を招く恐れがあります。
CTの二次側回路には「常に閉回路でなければならない」という大原則があります。そのため、配線図から必要な本数を正確に読み取り、適切な多芯ケーブルを選定することは、安全な電気設備を構築するための必須スキルです。試験で問われる「6又は7」という数字は、現場で頻用されるケーブルのサイズ感と直結しており、図面を現実の物として捉えるための訓練となっています。