第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問19
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令和3年度 下期 学科試験 問19 解説 ディーゼル発電装置

ディーゼル発電装置に関する記述として, 誤っているものは。

  1. イ. ディーゼル機関は点火プラグが不要である。
  2. ロ. ディーゼル機関の動作工程は,吸気→爆発(燃焼)→圧縮→排気である。 ✓ 正答
  3. ハ. 回転むらを滑らかにするために,はずみ車が用いられる。
  4. ニ. ビルなどの非常用予備発電装置として,一般に使用される。

解説

ディーゼル機関の基本サイクルである「吸気・圧縮・燃焼・排気」の順序を問う問題です。選択肢ロは、この順序が「吸気→爆発→圧縮→排気」となっており、圧縮する前に爆発が起きるという物理的にあり得ない順序になっているため、これが誤りとなります。

4行程サイクルの正しい順序

ディーゼルエンジンは、シリンダー内で空気を吸い込み、それを強力に圧縮して高温にした状態で燃料を噴射し、自己着火させる仕組みです。この一連の動作は以下の順序で繰り返されます。

  1. 吸気行程:シリンダー内に空気を吸い込む。
  2. 圧縮行程:ピストンが上昇し、空気を断熱圧縮して高温・高圧にする。
  3. 燃焼(膨張)行程:高温になった空気の中に燃料を噴射し、自然発火させてその圧力でピストンを押し下げる。
  4. 排気行程:燃焼後のガスをシリンダーの外へ排出する。

選択肢ロでは「爆発」が「圧縮」の前に来ていますが、圧縮して温度を上げなければ燃料が自然発火しないため、この順序は間違いであると即座に判断できます。

ディーゼル機関の特性と選定理由

第一種電気工事士試験において、ディーゼル発電機が非常用電源として選ばれる理由を知ることは重要です。ガソリンエンジンとは異なり、ディーゼルエンジンは点火プラグを必要としません(選択肢イ)。高圧縮によって空気を自己着火させるため、高い熱効率が得られます。また、重油や軽油を用いるため、ガソリンに比べて引火しにくく、長期間の備蓄に適している点もビルや病院の非常用発電装置として広く普及している理由です。

また、エンジンの動作に伴う「回転むら」を抑制するためには、軸に重い慣性体である「はずみ車(フライホイール)」を取り付けます。これにより、クランク軸の回転を均一に保ち、安定した電気出力(周波数)を維持することが可能になります。選択肢ハの記述は、この機器の安定稼働という目的と合致しています。

現場で求められる設備知識

この問題は、単なる知識の丸暗記ではなく、機器の「仕組み」を理解しているかを問うています。現場で非常用発電装置の保守点検やトラブル対応を行う際、どのような順序で燃料や空気が循環し、エネルギー変換が行われているかを把握しておくことは、故障予兆の早期発見につながります。

例えば、排気煙の色から燃焼状態を推定したり、回転の不安定さからはずみ車やガバナ(調速機)の不具合を疑ったりする際に、こうした基本サイクルが思考のベースとなります。試験問題としては、構成要素の役割と、それが連続して働く順番を整理しておくことで、どのような出題形式にも対応できるようになります。

参考リンク

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