令和3年度 下期 学科試験 問1 解説 クーロンの法則
図のように, 空気中に距離r[m]離れて, 2つの点電荷+Q[C]と-Q[C]がある とき, これらの点電荷間に働く力F[N]は。
- イ. Q/r^2 に比例する
- ロ. Q/r に比例する
- ハ. Q^2/r^2 に比例する ✓ 正答
- ニ. Q^3/r に比例する
解説
この問題は、電気の基本法則であるクーロンの法則の公式を思い浮かべることで即座に解けます。2つの点電荷の間に働く力 は、 ( は比例定数)で表されます。本問では電荷の大きさがどちらも ですので、力の大きさは 、すなわち に比例し、距離の2乗 に反比例するという関係になります。よって、選択肢の中から を選ぶのが正解です。
クーロンの法則の基本構造
クーロンの法則は、静止している2つの点電荷間に働く静電気力の大きさを定義するものです。この力には以下の2つの重要な性質があります。
- 各電荷の電気量の積に比例する
- 2つの電荷の間の距離の2乗に反比例する
今回のケースでは、一方が 、もう一方が ですが、力 の大きさを考えるときは絶対値を用いて計算します。したがって、 となり、分子には が来ます。距離 については公式の定義通り、距離の2乗 が分母に入ります。
思考のステップ
試験本番でこの種の問題に出会ったときは、以下のプロセスで論理を組み立ててください。
- 公式の確認: クーロンの法則 を想起する。
- 変数の代入: 問題文から (大きさ)であることを確認し、分子を に書き換える。
- 比例関係の抽出: 式全体を見て、何が分子にあり、何が分母にあるかを確認し、選択肢と照合する。
この問題は、クーロンの法則という電気学の根幹を理解しているかを問う非常に素直な設問です。
なぜこの知識が重要なのか
この法則は、単なる試験用の公式ではありません。現実の電気設備や電子機器の設計において、絶縁距離の検討や静電誘導の計算、コンデンサの特性理解など、電気を扱うあらゆる現場の基礎となっています。例えば、高圧送電線において電線同士や支持物との間に十分な距離(離隔距離)を確保しなければならないのは、この に反比例するという性質により、距離が近いほど急激に大きな力が働き、放電や事故のリスクが高まるからです。
第一種電気工事士の試験において、こうした物理法則の背景を理解しておくことは、応用問題である高圧受電設備のトラブルシューティングや保安基準の理解を深めるための強力な武器となります。