令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問27 解説 金属線ぴ工事
乾燥した場所であって展開した場所に施設 する使用電圧 100 V の金属線ぴ工事の記述と して, 誤っているものは。
- 電線にはケーブルを使用しなければならない。 ✓ 正答
- 使用するボックスは, 「電気用品安全法」の適用を受けるものであること。
- 電線を収める線ぴの長さが 12 m の場合, D 種接地工事を施さなければならない。
- 線ぴ相互を接続する場合, 堅ろうに, かつ, 電気的に完全に接続しなければならない。
解説
金属線ぴ工事の正誤問題を解く際は、まず「使用場所」と「接地工事の省略条件」に着目します。本問は、乾燥した場所で展開した場所という好条件が示されているため、多くの緩和規定が適用できる状況にあることを読み取ることがポイントです。
金属線ぴ工事の基本ルール
金属線ぴ工事は、金属製の管やダクトなどを用いて電線を保護・収容する配線方法です。この工事において試験で狙われやすいポイントは、主に以下の3点です。
- 使用電線の種類:絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)を使用すること。
- 接地工事:金属線ぴにはD種接地工事を施す必要がありますが、一定の条件(対地電圧150V以下、乾燥した場所など)を満たせば省略可能です。
- 接続・支持:接続部分の電気的接続、および線ぴの堅牢な固定が求められます。
選択肢に「誤り」がある場合、多くは「接地工事を省略できない場所なのに省略している」や「使用してはいけない電線が指定されている」といった典型的な規定違反が設定されます。
誤りを判定するための思考プロセス
問題文が「乾燥した場所であって展開した場所」を指定しているのは、接地工事の省略条件を思い出させるためのヒントです。
対地電圧150V以下の金属線ぴ工事において、以下のいずれかに該当する場合は接地工事を省略できます。 ・乾燥した場所に施設する場合 ・線ぴの長さが4m以下の場合 ・簡易接触防護措置を施す場合
今回のように「乾燥した場所」であるなら、接地工事を省略してもよいという判断が直ちに導かれます。もし選択肢に「接地工事を省略できない」といった内容があれば、それが誤りであると特定できます。一方で、電線の種類や支持点間の距離など、場所に関わらず固定的なルールが存在する項目についても、規定の数値を正確に暗記しているかが合否を分けます。
現場における安全管理と知識の意義
金属線ぴ工事は、露出配線として店舗や事務所の天井裏、あるいは壁面で見かける機会が多い工事手法です。見た目の美しさと物理的な保護性能を兼ね備えていますが、金属という導体を使用している以上、絶縁破壊が起きた際に線ぴ自体が帯電するリスクがあります。
この試験で問われる「接地工事の省略可否」というルールは、単なる暗記項目ではありません。乾燥した環境であれば感電のリスクが低いという電気的な特性に基づいています。もし湿気のある場所であれば、たとえ短距離の配線であっても接地が必要であり、それは作業者や利用者の命を守るための必須事項です。この知識は、実際に工事現場で配線ルートを計画する際、どの箇所に接地線を回すべきか、あるいは省略して工数を削減できるかを判断する際の直接的な根拠となります。