令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問14 解説 漏電遮断器の識別
低圧電路で地絡が生じたときに, 自動的に電路を遮断するものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
低圧電路における地絡遮断の判断は、機器の外観にある「テストボタン」の有無を確認するのが最も確実な解き方です。写真の選択肢イには、漏電を検知したことを示す表示窓や、動作確認のための「テストボタン」が明確に配置されています。
漏電遮断器を見分けるポイント
漏電遮断器(ELB)は、通常の配線用遮断器(MCCB)に「漏電遮断機能」が付加されたものです。試験においては、以下の特徴で見分けることができます。
- テストボタン:漏電遮断器には必ず、動作試験を行うためのボタンが備わっています。
- 漏電表示:地絡が発生して遮断した際に、それが過電流によるものか、漏電によるものかを識別できる表示窓が付いている製品が一般的です。
- 定格感度電流の記載:盤面などに「30mA」といった定格感度電流が明記されています。これは、何アンペアの漏電電流で遮断するかという基準です。
写真のイはこれらすべてを満たしているため、地絡保護を行う漏電遮断器であると判断できます。対してハの配線用遮断器にはテストボタンがなく、過電流遮断のみが目的です。
機器の構造から読み取る設計意図
この問題の教育的意図は、単に機器の名前を暗記することではなく、現場で目的の安全機能を果たす機器を選定できる能力を問うことにあります。
低圧電路では、人が接触した際や機器の絶縁劣化によって地絡が発生したとき、即座に電気を止めて感電事故を防ぐ必要があります。この役割を担うのが漏電遮断器です。逆に、選択肢ニのような電磁接触器(マグネットスイッチ)は、遠隔操作でモータなどを駆動するための開閉器であり、保護機能は付随している熱動継電器(サーマルリレー)が過負荷保護を担う役割分担となっています。
現場では、回路の保護目的(過電流保護なのか、地絡保護なのか)に合わせて、適切な遮断器を選定しなければなりません。設計図面を読み解く際や、盤のメンテナンスを行う際、外観だけで瞬時に「これは漏電遮断器だから地絡に対応できる」と判断できることが、電気工事士としての実務的な安全意識に直結します。
現場で役立つ識別能力
試験対策としては、機器の「顔」を覚えることが近道です。
- イ:漏電遮断器(テストボタンと定格感度電流の表示がある)
- ロ:配線用遮断器(小型のブレーカー)
- ハ:配線用遮断器(テストボタンがない、過電流保護専用)
- ニ:電磁接触器(モータ制御用、補助接点がある)
これらを見間違えると、必要な場所に漏電保護が設置されないという重大な安全上の欠陥を招きます。日頃から、写真や実物を見て「このボタンは何のためにあるのか」を自問自答する習慣をつけると、試験本番でも迷わず正解を導き出せるようになります。