2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問42 解説 シーケンス図記号
②で示すブレーク接点は。
- イ. 手動操作残留機能付き接点
- ロ. 手動操作自動復帰接点
- ハ. 瞬時動作限時復帰接点
- ニ. 限時動作瞬時復帰接点 ✓ 正答
解説
この問題は、シーケンス図におけるタイマー接点の図記号を判別できるかどうかが問われています。タイマーの接点は「動作」と「復帰」のタイミングが重要であり、記号の付随する「傘」や「三角形(矢印)」の向きを見ることで、どの特性であるかを即座に判断します。
接点記号の読み解き方
シーケンス図で使われるタイマー(限時継電器)の接点記号は、主に2つの要素で見分けます。
- 接点そのものの形状:ブレーク接点(b接点)かメイク接点(a接点)か
- 動作特性を表す付随記号:三角形の向きや傘のようなマークがどちらを向いているか
今回の問題で重要なのは、限時動作瞬時復帰接点(オンディレイ接点)の記号です。この記号は、b接点(ブレーク接点)の上に、右向きの三角形(傘)が乗っています。この「右向き」というのが重要で、タイマーが励磁されてから時間が経過した後に接点が開く(ブレークする)という動作を意味します。
動作特性による分類
試験対策として、以下の分類を整理しておくと迷わなくなります。
限時動作瞬時復帰接点(オンディレイ接点) タイマーに電源が入ってから設定時間後に動作し、電源が切れると瞬時に復帰するものです。最も一般的なタイマーの使い方であり、モーターの始動制御や信号の遅延などに使われます。図記号では、接点の上に三角形が乗り、その向きが動作方向を示しています。
瞬時動作限時復帰接点(オフディレイ接点) タイマーに電源が入ると瞬時に動作し、電源が切れてから設定時間後に復帰するものです。これは主に、電源が遮断された後も一定時間だけ回路を保持したい場合などに用いられます。
試験では、この「動作が遅れる(限時動作)」のか、「復帰が遅れる(限時復帰)」のかという点が、記号の三角形の向きや配置で示されます。今回の②の記号は、まさにオンディレイ接点の代表的な図形です。
制御回路における役割
この知識は、実際に現場で制御盤を点検・保守する際に必須となります。例えば、大きなモーターを起動する際、同時にすべての機器を始動させると突入電流が重なり、主幹ブレーカーが落ちる恐れがあります。そこでタイマーを用いて、「主回路投入から数秒後に次段の回路を動作させる」といったシーケンスを組みます。
このとき、設計図面上で限時動作瞬時復帰接点が使われているのか、あるいは誤って別の接点が配置されていないかを確認できなければ、回路の誤作動を招いてしまいます。試験の問題は単なる暗記ではなく、現場のシーケンス制御回路を設計・理解するための言語を習得しているかを確認する意図があります。
実務では、タイマーの設定値を変更することで動作タイミングを調整しますが、そのタイマー自体が「オンディレイなのか、オフディレイなのか」という特性を理解していないと、意図した通りのシーケンスを構築することはできません。図記号を正確に判別することは、制御回路を正確に読み解くための基礎体力といえます。