第一種電気工事士試験 / 2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問9
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2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問9 解説 回路の無効電力

設問図

図のような直列リアクトルを設けた高圧 進相コンデンサがある。電源電圧が V [V], 誘導性リアクタンスが 9 Ω, 容量性リアクタ ンスが 150 Ω であるとき, この回路の無効電 力(設備容量) [var] を示す式は。

選択肢図
  1. イ. V^2 / 159^2
  2. ロ. V^2 / 141^2
  3. ハ. V^2 / 159
  4. ニ. V^2 / 141 ✓ 正答

解説

この問題は、直列に接続されたリアクトルとコンデンサの合成リアクタンスを求め、それを用いて無効電力を導き出すことで解けます。手順は以下の通りです。

  1. 合成リアクタンス XX を求める。誘導性リアクタンス XL=9[Ω]X_L = 9 [\Omega] と容量性リアクタンス XC=150[Ω]X_C = 150 [\Omega] は直列接続されているため、合成値は X=XCXL=1509=141[Ω]X = X_C - X_L = 150 - 9 = 141 [\Omega] となります。
  2. 無効電力 QQ の式に代入する。リアクタンス成分のみの回路における無効電力は Q=V2/XQ = V^2 / X で表されるため、ここに X=141[Ω]X = 141 [\Omega] を代入して Q=V2/141[var]Q = V^2 / 141 [\text{var}] を導きます。

リアクタンスの合成と無効電力の考え方

この回路は、1相分に着目するとリアクトルとコンデンサが直列に接続された形をしています。リアクトルによる誘導性リアクタンスは電流の位相を遅らせ、コンデンサによる容量性リアクタンスは位相を進ませる働きがあります。これらが直列に接続されている場合、両者のベクトルは逆向きであるため、その差をとることで合成リアクタンスを算出します。

無効電力は、電圧と電流の位相差によるエネルギーのやり取りを示す指標です。純粋なリアクタンス回路であれば、その値は電圧の2乗をリアクタンスで割ることで求められます。今回のように直列リアクトルが挿入されている場合、コンデンサ単独の回路よりも全体のリアクタンスが減少するため、結果として設備容量としての無効電力の計算式もこの合成値を用いる必要があります。

計算のプロセス

まず、図を確認すると各相に直列リアクトルとコンデンサが直列に入っていることがわかります。問題文の数値は1相分の値です。ここで重要なのは、コンデンサの容量性リアクタンスが作るマイナスの方向の成分と、リアクトルの誘導性リアクタンスが作るプラスの方向の成分を合成する点です。

計算式 1509=141150 - 9 = 141 は、この回路の正味のリアクタンスを表しています。最後に、無効電力の公式である Q=V2/XQ = V^2 / X にこの値を適用します。選択肢の中には計算結果の数値が紛らわしいものも含まれていますが、次元と演算の順序を正しく理解していれば、分母が141、分子が V2V^2 となる選択肢ニが唯一の正解であると判断できます。

実務における直列リアクトルの役割

この問題で扱われている直列リアクトルは、電気設備の実務において非常に重要な役割を果たしています。高圧進相コンデンサを設置する際、系統の電圧波形に歪み(高調波)が含まれていると、コンデンサに過大な電流が流れ込み、異常発熱や故障の原因となることがあります。

これを防ぐために、あえてコンデンサに直列リアクトルを接続します。これにより第5調波(250Hz付近)に対して誘導性と容量性が打ち消し合う共振状態を作り出し、高調波電流を抑制します。試験では単なる計算問題として出題されますが、実際の現場ではコンデンサの保護と系統の品質維持に欠かせない設備として活用されています。この構造を理解しておくことは、資格取得後、現場で機器の定格や保護協調を考える際の強力な武器となります。

参考リンク

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