平成30年度 第一種 筆記試験 問1 解説 エネルギーの計算
図のような直流回路において,電源電圧100V, R=10Ω,C=20μF及びL=2mHで,Lには 電流10Aが流れている。Cに蓄えられている エネルギーWC[J]の値と,Lに蓄えられている エネルギーWL[J]の値の組合せとして,正し いものは。
- イ. WC=0.001 WL=0.01
- ロ. WC=0.2 WL=0.01
- ハ. WC=0.1 WL=0.1 ✓ 正答
- ニ. WC=0.2 WL=0.2
解説
この問題は、コンデンサとコイルという受動素子が蓄えるエネルギーの公式に、与えられた数値を代入して計算するだけで解くことができます。
コンデンサのエネルギー は [J]、コイルのエネルギー は [J] という基本式をそれぞれ適用します。
エネルギー公式の基礎
コンデンサとコイルは電気回路において、エネルギーを形を変えて蓄える性質を持っています。
コンデンサのエネルギー コンデンサは電界としてエネルギーを蓄えます。容量 [F] のコンデンサに電圧 [V] を印加したとき、蓄えられるエネルギーは電圧の2乗に比例します。単位はジュール [J] です。
コイルのエネルギー コイルは磁界としてエネルギーを蓄えます。インダクタンス [H] のコイルに電流 [A] が流れたとき、蓄えられるエネルギーは電流の2乗に比例します。これも単位はジュール [J] です。
計算の手順と数値の扱い
この問題では、単位の接頭辞を適切に変換することが計算ミスの防止につながります。
コンデンサの計算
コイルの計算
結果として [J]、 [J] となり、選択肢ハが正解となります。
なぜこの知識が重要なのか
電気工事士試験において、この問題は単なる計算練習ではありません。電気回路における「エネルギーの貯蔵」という概念を理解しているかを問うものです。
例えば、回路の遮断器が遮断する瞬間や、スイッチが入る瞬間に、コイルやコンデンサに蓄えられたエネルギーが突入電流やサージ電圧として回路に影響を与えることがあります。設計現場では、これらのエネルギーが過電圧やアーク放電を引き起こさないよう、保護機器の選定や回路設計が行われます。
本質的には「電圧や電流が変化しようとするときに、それまでの状態を維持しようとする素子の物理的性質」を定量的に捉える力を養うための問題構成となっています。実務において直接的に計算することは稀かもしれませんが、負荷の特性を理解する上で非常に重要な基礎知識です。