平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問46 解説 接地工事の図記号
図中の6a 6bに入る図記号の組合せで,正しいものは。
- イ.
- ロ. ✓ 正答
- ハ.
- ニ.
解説
この問題は、高圧受電設備の単線結線図において、特定の箇所に用いられる図記号を判別する能力を問うものです。正解である「ロ」の選択肢は、一般的に高圧受電設備の引込口近くに設置される「断路器(DS)」と「高圧カットアウト(PCまたはCOS)」の図記号の組み合わせを示しています。これら2つの機器の役割と、それに合致する図記号を正しく理解していれば、解答できます。
高圧受電設備の主要機器とその役割
第一種電気工事士の試験では、高圧受電設備の単線結線図の読解が非常に重要です。特に、電力会社から受電する側(需要家側)の入口付近に設置される主要機器の役割と図記号は、必ず押さえておくべき知識です。
断路器(DS: Disconnecting Switch)
- 役割: 電路を無負荷状態で開閉し、保守点検時などに電路を完全に切り離して安全を確保するための開閉器です。大きな負荷電流が流れている状態では開閉できません。アーク(火花)が発生し、危険なためです。
- 図記号の特徴: 通常、開閉状態を表す斜めの線(ブレード)を持つスイッチの記号で描かれます。垂直な母線から水平に分岐する形や、垂直なブレードが水平に開く形など、いくつかの表現方法がありますが、スイッチであることと、電流を遮断する機能を持たないことがポイントです。
高圧カットアウト(PC: Power Cutout または COS: Cutout Switch)
- 役割: 高圧回路の短絡事故などによる過電流から変圧器などの機器を保護するための開閉器です。ヒューズが内蔵されており、異常な過電流が流れるとヒューズが溶断し、電路を自動的に遮断します。電路の開閉機能も兼ね備えているため、保守時などに手動で開閉することもできます。
- 図記号の特徴: スイッチの機能とヒューズの機能を組み合わせた記号で描かれます。ヒューズを示す四角の中にバツ印や波線が入った記号と、開閉器のブレードが一体となった形で表現されることが多いです。
問題解決へのアプローチ
この問題は、単線結線図における機器の配置と、それぞれの図記号の知識が問われています。
- 高圧受電設備の一般的な構成を思い出す: 電力会社の配電線から需要家への引込口に設置される機器は、引込開閉器(PAS/PGS)、断路器(DS)、高圧カットアウト(PC/COS)または電力ヒューズ(PF)、避雷器(LA)、遮断器(CB)、変圧器(Tr)などが順に並びます。
- 「⑥」が示す位置の特定: 問題の図で「⑥」がどの位置にあるか正確な図が提示されていませんが、一般的に断路器と高圧カットアウトが並んで示される場合、これらは引込口に近い位置の重要な保護・開閉機器です。
- 選択肢「ロ」の内容と図記号の照合: 「ロ」の選択肢には、断路器と高圧カットアウトの正しい図記号が示されています。断路器はブレードスイッチの形状、高圧カットアウトはヒューズ付きのスイッチの形状をそれぞれ持っていることを確認します。
- 各機器の役割から妥当性を判断: 断路器は無負荷開閉、高圧カットアウトは過電流保護と開閉機能という役割があり、単線結線図上での配置も一般的です。したがって、「ロ」の組み合わせが最も妥当な選択肢となります。
実務における単線結線図の重要性
単線結線図は、受変電設備の全体像を一目で把握できる最も基本的な図面です。電気工事士にとって、この図面を正確に読み解く能力は、設備の設計、施工、保守、点検、そしてトラブルシューティングのすべてにおいて不可欠です。
- 安全確保: 各機器の役割と図記号を理解することで、どの機器を操作すれば安全に作業ができるか、どの機器が保護機能を持っているかなどを判断できます。例えば、断路器は無負荷でしか開閉できないため、これを理解せずに負荷電流が流れている状態で操作すれば、大事故につながる可能性があります。
- 効率的な点検・保守: 故障が発生した場合や定期点検を行う際に、単線結線図を参照することで、問題箇所の特定や点検手順の立案を迅速に行うことができます。
- 法規遵守: 電気設備の設置や変更は、電気設備に関する技術基準を定める省令や各種JIS規格に準拠する必要があります。単線結線図はこれらの法規が正しく適用されているかを確認する上でも重要な資料です。
この問題は、単に図記号を暗記しているかだけでなく、それぞれの機器がなぜその記号で表され、どのような役割を担い、どの位置に配置されるのか、という背景知識まで含めて理解しているかを試す教育的な意図があると言えるでしょう。