第一種電気工事士試験 / 平成30年度 筆記試験(追加試験分) / 問41
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平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問41 解説 零相変流器の役割

①で示す機器に関する記述として,正しいものは。

  1. イ. 零相電圧を検出する。
  2. ロ. 異常電圧を検出する。
  3. ハ. 短絡電流を検出する。
  4. ニ. 零相電流を検出する。 ✓ 正答

解説

この問題は、配線図記号と機器の役割を紐付けて記憶しているかを問う典型的な知識問題です。図記号に記された文字や形状から、その機器が何を検出し、どのような目的で設置されているかを即座に判断することが正解への近道です。

零相変流器(ZCT)の役割と見分け方

この問題で問われている機器は、零相変流器(ZCT: Zero-phase Current Transformer)です。試験問題の図面において、円形のコアに電線が貫通しているような記号や、ZCTという文字が添えられている場合は、迷わず「零相電流」に関連する選択肢を選びましょう。

零相電流とは、地絡事故が発生した際に回路に流れる電流のことです。正常な回路では、3相の電流(または単相の往復電流)の和はゼロになります。しかし、地絡が発生すると、漏電した電流分だけこのバランスが崩れ、合計値がゼロではなくなります。このわずかな不平衡電流(零相電流)を検出するのがZCTの役割です。

選択肢を絞り込む思考プロセス

試験会場で迷わないための思考順序は以下の通りです。

  1. 機器の名称を特定する:記号から「ZCT」または「零相変流器」であると特定します。
  2. 役割を直結させる:「零」という文字が含まれているため、名称の通り「零相電流」を扱う機器であると判断します。
  3. 他の選択肢を排除する:
    • 零相電圧を検出するのは接地継電器(OVGR)に関連する回路です。
    • 異常電圧(サージなど)を検出するのは避雷器の役割です。
    • 短絡電流は過電流継電器(OCR)などがCTを用いて検出するものであり、ZCTの主要な目的ではありません。

このように、名称に含まれるキーワードと、それが検知する対象をセットで覚えておくことで、誤った選択肢に惑わされるリスクを最小限に抑えることができます。

実務現場におけるZCTの存在意義

第一種電気工事士の現場において、ZCTは漏電遮断器(ELB)や漏電火災警報器の心臓部として非常に重要な役割を担っています。

例えば、ビルや工場などの動力設備において、ケーブルの絶縁不良が発生した場合、人間の目には見えない微小な漏電電流をZCTが即座に検出し、継電器を動作させて回路を遮断します。これにより、感電事故の防止や、漏電による電気火災の未然防止が可能になります。

試験問題としては、単なる名称の記憶を問うものですが、実務では「この機器が働かないと漏電検知ができない」という責任ある判断が求められる箇所です。試験勉強を通じて、各機器が系統のどの位置にあり、万が一の時にどういう挙動をするのかという「安全性」の観点を持つことが、将来的な技術者としての信頼につながります。

参考リンク

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