平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問25 解説 CVケーブルの構造
高圧 CVT ケーブルの半導電層の機能は。
- イ. 絶縁体表面の電位の傾きを均一にする。 ✓ 正答
- ロ. 紫外線から絶縁体を保護する。
- ハ. 許容電流を増加させる。
- ニ. 高調波を防止する。
解説
導体と絶縁体の間で電界を制御する役割
この問題は、CVTケーブルの構造における「半導電層」の役割を問うものです。正解を導くための鍵は、電界の乱れを抑えて絶縁破壊を防ぐという機能を理解しているかどうかです。
選択肢のうち「絶縁体表面の電位の偏在を均一にする」という記述が、半導電層の最大の目的です。導体表面が滑らかでない場合、あるいは絶縁体との境界で電界が不均一になると、そこに電気が集中し、絶縁破壊を起こしやすくなります。半導電層は電気的に導体の一部として機能し、この境界部分を滑らかにすることで電界を均一に保ちます。
半導電層が果たす役割の仕組み
高圧ケーブルの断面を考えると、中心の導体、それを覆う半導電層、その外側の絶縁体、さらにその外側の外部半導電層という層構造になっています。
導体の表面は、より線などの形状により、どうしても微細な凹凸が残ります。もし絶縁体が直接導体に接していると、この凹凸部分に電荷が集中し、そこから絶縁体の劣化が始まってしまいます。そこで、導体のすぐ外側に半導電性の材料を配置します。これにより、導体と絶縁体の間の境界が電気的に等電位となり、絶縁体にかかる電界を均一にすることができます。これが「電位の偏在を均一にする」という仕組みの本質です。
なぜこの知識が試験で重要なのか
第一種電気工事士の試験において、ケーブルの構造を理解することは、現場での施工品質を維持するために不可欠です。例えば、ケーブルの端末処理を行う際、半導電層を適切に処理しないと、その部分で電界が集中し、短時間で絶縁破壊に至る事故(いわゆるストレスコーンの失敗や不適切な端末処理)を引き起こす可能性があります。
この問題は、単なる暗記項目ではなく、「なぜその層が必要なのか」という設計上の意図を問うています。現場でケーブルを扱う技術者として、内部構造の役割を知っていることは、施工ミスを防ぎ、電気設備の信頼性を守るための必須知識といえます。
誤答選択肢の考え方
- ロ:導体外縁から絶縁体への電界集中を緩和する、という記述は一見正解のように見えますが、より正確には「絶縁体表面の電位分布を均一にすることで、絶縁体内部の電界を安定させる」ことが目的です。イの方がより本質的で、標準的な用語として用いられます。
- ハ:半導電層は「半導体」ですので、導体と絶縁体の間の抵抗を意図的に下げる役割を持ちます。抵抗を増加させるわけではありません。
- ニ:高周波を防止する役割は半導電層にはありません。高周波対策が必要な通信ケーブルなどとは異なる視点です。