平成29年度 上期 筆記試験 問48 解説 配線図記号の選定
⑧で示す部分に設置する機器の図記号 として,適切なものは。
- イ.
- ロ.
- ハ. ✓ 正答
- ニ.
解説
高圧受電設備の単線結線図において、図記号を特定する際は「その機器が回路を遮断できるか(負荷電流を流せるか)」と「ヒューズを持っているか」という二点に着目します。この問題で問われている機器は「負荷開閉器(LBS: Load Break Switch)」であり、図記号の判別は以下の特徴を見分けるだけで完了します。
負荷開閉器(LBS)の図記号を構成する要素
負荷開閉器(LBS)は、負荷電流を遮断する機能を持った開閉器であり、高圧受電設備ではヒューズと組み合わせて保護機能を担うことが一般的です。JISなどで定められた図記号を分解すると、以下のようになります。
・基本的な開閉器のシンボルに、遮断能力を意味する補助記号がある ・高圧ヒューズを内蔵または組み合わせることを示す長方形の枠がある
今回の選択肢で見ると、選択肢ハの記号は、開閉器の動作部分に長方形(ヒューズ)が描かれており、かつ操作部分に負荷遮断を意味する記号が付加されています。これが負荷開閉器を表す標準的な記号です。
選択肢の識別と比較プロセス
試験現場では、以下の順で選択肢を分類していくと迷いがなくなります。
・選択肢イ:通常の断路器(DS)。遮断能力を持たず、回路の切り離しのみを行うため、ヒューズなどの付加機能はない。 ・選択肢ロ:遮断器(CB)。短絡電流のような大きな電流も遮断できる。 ・選択肢ハ:負荷開閉器(LBS)。負荷電流を遮断でき、ヒューズが付加されている。これが正解。 ・選択肢ニ:ヒューズ付き断路器。断路器にヒューズがついているが、負荷開閉器ほどの遮断性能はない。
このように、それぞれの機器が持つ「遮断機能の強さ」と「ヒューズの有無」をセットで覚えるのが最短ルートです。
受電設備設計における役割の理解
高圧受電設備において、負荷開閉器は非常に重要な役割を果たしています。本来、大きな電流を遮断する高価な遮断器(CB)を全ての回路に設置することはコスト面で現実的ではありません。そこで、過負荷や短絡保護が必要な箇所に、比較的安価でコンパクトな負荷開閉器と高圧ヒューズを組み合わせることで、経済的な保護システムを構築しています。
試験では単なる暗記になりがちですが、実務では「なぜここにこの記号が置かれているのか」を考えることが重要です。例えば、LBSを採用することで、故障時に確実に回路を遮断しつつ、機器のメンテナンス時に安全に切り離し作業を行えるという設計思想が背後にあります。この構造を理解しておくことは、試験問題の図記号を忘れてしまった際にも、「遮断機能とヒューズの両方が必要だな」と推測して正解を導き出すための強力なヒントとなります。