第一種電気工事士試験 / 平成29年度 上期 筆記試験 / 問36
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平成29年度 上期 筆記試験 問36 解説 絶縁性能の漏えい電流

電気設備の技術基準の解釈において,停電が 困難なため低圧屋内配線の絶縁性能を,漏えい 電流を測定して判定する場合,使用電圧が200V の電路の漏えい電流の上限値として,適切なもの は。

  1. イ. 0.1 mA
  2. ロ. 0.2 mA
  3. ハ. 0.4 mA
  4. ニ. 1.0 mA ✓ 正答

解説

この問題は、電気設備の技術基準の解釈における「絶縁性能の特例」に関する知識を問うものです。低圧電路において、停電が困難な場合に限り、絶縁抵抗値(MΩ)を測定する代わりに漏えい電流(mA)で絶縁性能を判定することが認められており、その上限値は電圧の大きさに関わらず一律で 1.0 mA と定められています。

なぜ1.0 mAなのか

電気設備技術基準では、原則として低圧電路の絶縁性能は「絶縁抵抗値」で判断します。しかし、病院の医療機器や24時間稼働のサーバー、あるいは複雑な制御回路など、絶縁抵抗計(メガー)による測定のために電源を遮断することが著しく困難な場合があります。

このとき、絶縁性能の維持を確認するための代替手段として、通電状態のまま漏えい電流を測定する方法が認められています。人体が触れた際に危険が生じないレベル、かつ絶縁劣化を的確に検知できる値として、技術基準の解釈では「1.0 mA以下」という基準が設定されています。この基準値は使用電圧(100Vや200Vなど)によらず一定である点が試験でのひっかけポイントになりやすいため、注意が必要です。

合格のための判断手順

本問のような知識問題を確実に正解するためには、以下の2点を確認して記憶を定着させます。

  1. 絶縁抵抗測定が困難な場合、漏えい電流による測定が代替手段として認められていることを理解する。
  2. その際の基準値は、電圧の大きさを問わず「1.0 mA以下」であると暗記する。

試験本番で「200Vだから計算が必要か?」と迷うかもしれませんが、これは計算問題ではなく規定そのものを問う暗記問題です。電圧値という条件は、規定の適用条件(低圧電路であること)を念押ししているだけであり、基準値の判定には影響しないと即座に判断しましょう。

実務現場における絶縁監視

この知識は、現場での「絶縁管理」において非常に重要です。絶縁抵抗測定は年次点検などの停電作業時に行いますが、日常的なメンテナンスでは漏えい電流計(クランプメーター)を使用して、通電したまま負荷側の漏えい電流を常時監視・記録します。

漏えい電流が 1.0 mA を超えているからといって直ちに「火災や感電の恐れがある」と結論づけるわけではありませんが、管理値として 1.0 mA を超えてくる場合は、絶縁劣化が進んでいる兆候として、次回の停電点検時に精密な絶縁抵抗測定を行う計画を立てるなど、安全管理の指標として活用されています。

参考リンク

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