第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問33
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平成28年度 筆記試験 問33 解説 受電設備の図記号

設問図

問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,供給用配電箱(高圧キャビネット)から自家用構内を経由して,地下1階電気室に施設する屋内キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4620 適合品)に至る電線路及び低圧屋内幹線設備の一部を表した図である。この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれ,問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕1.図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。 2.UGS:地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器

  1. イ. ✓ 正答
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.

解説

正解の判断根拠

この問題は、ケーブルラック施工における「技術的な義務」と「選択肢の記述」の不一致を見抜くことが鍵です。もっとも誤っている記述は選択肢イです。電灯幹線と動力幹線を同一ラックに布設する際、セパレータ(仕切り)の設置は努力目標や推奨事項としてはありますが、技術基準上の義務ではありません。また、選択肢ハについても、ケーブルラックの接地は通常「A種またはB種」が求められる場面が多く、D種(300V以下の低圧機器等の接地)とするのは不適切であるため、この問題文は複数の誤りを含んでいる点に注意が必要です(※ただし試験問題としては最も誤りが明白なものを選択します)。

ケーブルラック布設の基本ルール

ケーブルラックは、多数のケーブルを整理して配線するために用いられる金属製の構造物です。内線規程や電気設備技術基準の解釈では、以下のような基準が重要視されます。

電灯幹線と動力幹線を同一ラックに収める場合、以前はセパレータの設置が厳格に求められる傾向がありましたが、現在は技術の進歩もあり、混触防止措置やケーブル自体の絶縁性能向上によって、必ずしも物理的なセパレータの設置が必須とはされていません。一方で、高圧ケーブルと低圧ケーブルの混在については、混触時の電圧波及を考慮したより厳格な分離措置が求められます。

接地工事に関しては、金属製のケーブルラックは「金属製ダクト」等と同様の考え方をします。低圧用であれば通常D種接地工事となりますが、高圧機器等に接続される場合にはA種またはB種接地工事が必要となります。本試験では「D種と決め打ちしている点」が技術的な不正確さとして突かれるポイントです。

試験問題が求める施工現場の視点

実務においてケーブルラックを施工する際、設計者は「機械的強度」「延焼防止」「混触防止」「漏電対策」の4点を常に意識しなければなりません。

選択肢ロにある「天井コンクリートスラブからアンカーボルトで吊る」方法は、ケーブルの重量を支えるための最も一般的かつ強固な施工法です。ここで重要なのは、ラックのたわみや支持材の耐荷重計算であり、架台の強度が不足すると将来的なケーブル追加時に崩落のリスクが生じます。

また、選択肢ニにある「壁貫通部の耐火処理」は、建築基準法上の防火区画を維持するために不可欠です。ケーブルラックが壁を貫通すると、そこが火災時の煙や火の通り道になってしまうため、耐火パテやモルタル等で隙間を完全に塞ぐ措置(防火貫通処理)は、電気工事士として避けて通れない施工ルールです。

実務における知識の整理

ケーブルラック工事は、大規模な施設やビル等で頻繁に行われます。施工時に以下の流れを意識しておくと、暗記ではなく現場の理屈として定着します。

  1. 経路の選定と支持間隔の確保:重量計算に基づいた強固な支持。
  2. 混在配線の検討:電磁的な干渉や混触の可能性を最小限にする配置。
  3. 接地工事の適正化:ラックの金属体が万が一の漏電時に帯電しないための確実な接地。
  4. 防火対策:防火区画を跨ぐ際の延焼防止措置。

この問題は、単なる知識の暗記だけでなく、現場でどのような判断が安全基準を満たすのかという「工事管理能力」を問うています。特に「セパレータが必須か否か」という問題は、現場におけるコストや施工の手間と、安全基準のバランスを理解しているかを測る良問です。

参考リンク

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