第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問23
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平成28年度 筆記試験 問23 解説 変圧器

設問図

写真に示す品物の用途は。

  1. イ. 高調波電流を抑制する。 ✓ 正答
  2. ロ. 大電流を小電流に変流する。
  3. ハ. 負荷の力率を改善する。
  4. ニ. 高電圧を低電圧に変圧する。

解説

写真の機器が変流器(CT: Current Transformer)であることを瞬時に判断し、その役割が「大電流を小電流へ変換すること」であると結びつけるのがこの問題の解法です。変流器は外観上の特徴として、絶縁のための磁器製ブッシングが並んでおり、箱型の形状をしています。これと似た形状の機器に計器用変圧器(VT)がありますが、変圧器と違い変流器は「回路に直列に接続して電流を測定・制御する」ためのものであるという点を区別しましょう。

変流器(CT)の役割と仕組み

変流器は、高圧や特別高圧の回路に流れる非常に大きな電流を、そのままでは測定できないため、計器や保護継電器が扱える小さな電流(一般的に二次側定格電流は5A)に変換して取り出すための計器用変成器です。

なぜこのような変換が必要かというと、大電流を扱う回路に直接大きな電流計を接続するのは、測定器のコスト、設置スペース、そして何よりも作業者の安全面で非常に危険だからです。変流器を使うことで、高圧回路と測定器や継電器を電気的に絶縁しつつ、安全に電流の監視や事故検出を行うことが可能になります。

外観による機器の判別プロセス

試験の現場では、写真だけを見て判断する必要があります。変流器(CT)と計器用変圧器(VT)の形状は似ていますが、以下のポイントを意識してください。

  1. 機器の用途を考える:回路の「電流」を知りたいのか、「電圧」を知りたいのか。
  2. 接続方法を考える:電流は「直列」に接続するため、CTは回路の導体に直列に入ります。電圧は「並列」に接続するため、VTは回路に並列に入ります。
  3. 問題文の選択肢を精査する:今回の選択肢である「高調波抑制(リアクトル)」「力率改善(コンデンサ)」「変圧(変圧器)」といった他の機器の役割と見比べることで、消去法でも「変流」が残るようになっています。

実務における変流器の重要性

この知識は、受変電設備の設計や保守点検の実務において必須の基礎教養です。例えば、過電流継電器(OCR)を動作させるためには、実際に流れている電流に比例した小電流をCTから取り込む必要があります。もしCTの二次側を開放(オープン)にしてしまうと、鉄心が磁気飽和を起こして異常高電圧が発生し、機器の焼損や感電事故を招く危険があります。そのため、CTの二次回路を扱う際には「決して開放してはならない」という安全上の重要なルールがあります。

試験問題を単なる正解探しで終わらせず、このような「なぜその機器が必要で、どう扱うべきか」という背景知識まで深掘りしておくことが、現場でのトラブルを防ぐ技術者としての素養につながります。

参考リンク

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