平成27年度 筆記試験 問40 解説 主任電気工事士
電気工事業の業務の適正化に関する法律に おいて、主任電気工事士に関する記述として、 正しいものは。
- イ. 第一種電気主任技術者は、主任電気工事士になれる。
- ロ. 第二種電気工事士は、2年の実務経験があれば、主任電気工事士になれる。
- ハ. 主任電気工事士は、一般用電気工事による危険及び障害が発生しない ように一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない。 ✓ 正答
- ニ. 第一種電気主任技術者は、一般用電気工事の作業に従事する場合には、 主任電気工事士の障害防止のための指示に従わなくてもよい。
解説
主任電気工事士に関するこの問題は、法律が定める資格の要件と、業務上の義務を正確に区別できているかが問われています。正誤判定のポイントは、「主任電気工事士は現場の安全管理を担う責任者である」という基本原則に立ち返ることです。
資格要件と義務の判断基準
この問題を解くための知識は、電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)における「主任電気工事士」の定義に集約されます。
まず、主任電気工事士になれるのは以下のいずれかに該当する者です。
- 第一種電気工事士の免状の交付を受けている者
- 第二種電気工事士の免状の交付を受けた後、電気工事に関し3年以上の実務経験を有する者
これらを踏まえて各選択肢を検討します。
選択肢イについては、第一種電気主任技術者は電気事業法に基づく資格であり、電気工事業法で定められた「主任電気工事士」になるための資格要件とは直接関係ありません。したがって誤りです。
選択肢ロについては、第二種電気工事士の場合、必要な実務経験は3年以上です。2年では要件を満たさないため誤りです。
選択肢ハは、主任電気工事士の最も重要な職務内容です。法律上、主任電気工事士は電気工事の欠陥による災害を防止するため、一般用電気工事や自家用電気工作物に係る電気工事の作業を監督・管理する義務を負います。この記述は法の精神に合致しており正解です。
選択肢ニについては、仮に第一種電気主任技術者が工事に従事する場合であっても、その工事現場において主任電気工事士が置かれている以上、安全管理体制の統一を図る必要があります。特定の資格を持っているからといって、現場の安全指示を無視できるという例外規定は存在しません。したがって誤りです。
なぜ主任電気工事士という制度があるのか
電気工事は一歩間違えれば感電や火災といった重大な事故に直結する危険な作業です。そのため、すべての電気工事業者は営業所ごとに主任電気工事士を配置し、作業の管理を行わせることが義務付けられています。
この制度の教育的意図は、単に工事ができる技術者を揃えるだけでなく、現場の安全性を保証する管理者を置くことで、電気工事の施工品質を担保することにあります。試験でこの項目が出題されるのは、現場に出る技術者に対して、法律による規制と安全に対する責任の重さを意識させる目的があります。
現場で求められる安全意識
実務において、主任電気工事士は「現場の安全の最後の砦」です。たとえ作業員個々人が高い技術を持っていても、作業工程全体の管理や、部材の適合性、工事後の検査体制が疎かであれば事故は防げません。
試験勉強を通じて、「自分が主任電気工事士になったら、どのように現場の安全を守るか」という視点を持つと、単なる暗記ではなく実務に即した理解が深まります。特に、実務経験年数の要件や、現場監督者としての指揮命令系統を理解しておくことは、将来的に現場を統括する立場を目指すうえで不可欠な教養となります。