平成26年度 上期 学科試験 問32 解説 単相変圧器の結線
③に示す変圧器は、単相変圧器 2 台を使用 して三相 200 [V] の動力電源を得ようとする ものである。この回路の高圧側の結線として、 正しいものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
単相変圧器2台を用いて三相電源を得るための基本結線である、V結線の回路図を正しく読み取ることで解答します。ポイントは、高圧側(一次側)の各変圧器が三相電源の異なる2線ずつにそれぞれ接続されており、かつ、その内の1線が共通になっていることを確認することです。
V結線の回路構成
V結線とは、三相交流のうちの2線を利用し、単相変圧器2台を用いて三相電圧を取り出す方法です。図を観察すると、左側の変圧器と右側の変圧器が存在します。このとき、高圧側は以下のように結線される必要があります。
- 変圧器1台目:三相電源の例えば R相と S相に接続する
- 変圧器2台目:三相電源の例えば S相と T相に接続する
このように S相が両方の変圧器に共通して接続されることで、V字型の接続となり三相のバランスを維持します。選択肢の中から、一次側の各変圧器がそれぞれ2本の電線から供給を受け、共通の相(この場合はS相)を介して結線されている図を選びます。
結線図を読み取る思考プロセス
まず、与えられた図において高圧側の接続点(黒いドット)に注目します。 選択肢イでは、左の変圧器が R相と S相に、右の変圧器が S相と T相にそれぞれ接続されています。これは V結線の条件を満たす正しい接続です。
他の選択肢を見てみると、R相と T相のみが接続されていたり、結線が混線して本来の V結線の構成を成していなかったりと、不適切な接続となっています。第一種電気工事士試験では、このような図記号の読解力が求められます。単に結線図を覚えるだけでなく、どの端子からどの端子へ電気が流れるか、という回路の経路を一本ずつ指でなぞるように確認する癖をつけるとミスが減ります。
実務におけるV結線の意義
この結線方法は、コスト面で非常に大きなメリットがあります。通常、三相電源を供給するには3台の単相変圧器をデルタ結線などで行うのが一般的ですが、変圧器を3台用意するとコストと設置スペースがかかります。
一方で、小規模な動力負荷であれば、2台の変圧器で済む V結線は経済的に非常に合理的です。また、メンテナンスの際や、一時的な電源確保の場面でも、この結線方式の知識は必須となります。実務では単に図が正しいかだけでなく、負荷の容量に対して変圧器の利用率が適切か(V結線の利用率は 86.6 パーセントとなることなど)を考慮する必要がありますが、まずは試験対策としてこの結線図の構造を完璧に理解しておくことが、現場でのトラブルを防ぐ第一歩となります。