平成26年度 上期 学科試験 問4 解説 交流回路の消費電力
図のような交流回路において、抵抗R=15 〔Ω〕、誘導性リアクタンスXL=10〔Ω〕、 容量性リアクタンスXC=2〔Ω〕である。この 回路の消費電力〔W〕は。
- イ. 240
- ロ. 288
- ハ. 505
- ニ. 540 ✓ 正答
解説
この回路の消費電力は、以下の3ステップで算出します。
- 回路全体のインピーダンス を求める
- 回路に流れる電流 を求める
- 抵抗で消費される電力 を求める ...ではなく、この回路の電圧は図の通りリアクタンス分に48Vがかかっている点に注意します。
修正:問題図を確認すると、電源電圧102Vに対し、リアクタンス部分(コイルとコンデンサ)に48Vがかかっています。したがって、抵抗にかかる電圧 は、ベクトル計算を用いて以下のように求めます。 消費電力 は となりそうですが、選択肢と照らし合わせると回路図の解釈に注意が必要です。再度インピーダンスから計算すると 、よって です(※この場合、として計算されたケースとなります)。
交流回路における電力消費のルール
交流回路において電力を消費するのは抵抗成分だけです。コイルやコンデンサといったリアクタンス成分は、エネルギーを磁界や電界として一時的に蓄えるだけで、理論上は電力を消費しません。そのため、回路全体の電力を知りたい場合は「抵抗にかかっている電圧」や「抵抗を流れる電流」に注目するのが鉄則です。
全体から部分を読み解く思考プロセス
この問題では、回路全体に印加される102Vという電源電圧と、リアクタンス部分に発生している48Vという情報が与えられています。ここから、「抵抗部分には何ボルトかかっているのか」を直角三角形のベクトル関係から導き出すのが重要なプロセスです。電圧のベクトルは、抵抗による電圧降下とリアクタンスによる電圧降下が直交する形になるため、三平方の定理がそのまま適用できます。
実務と試験における重要性
この知識は、単なる試験用の計算問題にとどまらず、実際の電気設備において「なぜ力率を改善する必要があるのか」を理解する基礎となります。リアクタンスが大きい回路では、無効な電力が回路を循環してしまい、電線に無駄な電流を流すことになります。効率よく電力を供給するためには、リアクタンス成分を打ち消し合い、抵抗分を有効活用する設計が不可欠です。この問題を通して、電圧と電流の位相差や、有効電力・無効電力の関係性をイメージできるようになることが、電気工事士としての技術的素養を高めることにつながります。