平成25年度 筆記試験 問41 解説 制御機器の選定
①の部分に設置する機器は。
- イ. 電磁接触器
- ロ. 限時継電器
- ハ. 熱動継電器 ✓ 正答
- ニ. 始動継電器
解説
選択肢の絞り込み方
この問題は、三相誘導電動機の制御回路図における図記号の形状と役割を識別する知識を問うています。電動機の主回路において、電流が流れる経路の途中に配置され、過負荷保護を行うための機器を探すのがポイントです。選択肢の中で、過負荷を検知して回路を遮断する役割を持つ機器を選べば正解にたどり着けます。
熱動継電器(サーマルリレー)の役割と見分け方
電気回路において、電動機を焼き損じから保護することは非常に重要です。電動機に定格以上の電流が流れ続けると、巻線の温度が上昇し、絶縁性能が低下して故障の原因となります。この過負荷を検知するために用いられるのが熱動継電器です。
図記号としては、回路の途中に配置された「くの字」が重なるような、あるいは熱変形を表現したような記号が描かれます。他の選択肢と比較すると以下の特徴があります。
・電磁接触器(マグネットスイッチ):回路の開閉を行うための接点とコイルを持つ機器です。主に電動機の運転・停止を制御します。 ・限時継電器(タイマー):動作までの時間を遅らせる機能を持つ機器です。自動制御のタイミング調整に使われます。 ・始動継電器:主に単相電動機などで、始動時にのみ必要な回路を切り替えるために使われます。
これらの機器は役割が明確に分かれており、特に回路図上で電動機(M)の直近に配置され、過電流による熱をバイメタルの湾曲で検知する構造を持つものが熱動継電器です。
試験問題の意図と回路構成の理解
この問題は、単に記号を暗記しているかではなく、電動機制御回路の「標準的な構成」を理解しているかを試しています。一般的に、電源側から「断路器や配線用遮断器」→「電磁接触器」→「熱動継電器」→「電動機」という順で回路が構成されます。
この構成は、万が一の過負荷時に電磁接触器よりも前に熱動継電器の補助接点が動作し、電磁接触器のコイルへの給電をカットして回路を安全に遮断するためのものです。この一連の流れをイメージできると、試験図面の中でどの位置にどの機器が配置されるべきかが自然と理解できるようになります。
実務における重要性
実際の工事現場や制御盤の設計において、熱動継電器の選定は極めて重要です。電動機の定格電流値に合わせて適切なサーマルリレーを選定し、設定値を調整しなければ、正常運転中に遮断したり、過負荷時に作動しなかったりするリスクがあります。第一種電気工事士の試験では、こうした機器の機能理解を通じて、安全な電気設備を構築するための基礎知識を養うことが求められています。