平成25年度 筆記試験 問22 解説 変流器の用途
写真に示す品物の用途は。
- イ. 進相コンデンサに接続して投入時の突入電流を抑制する。
- ロ. 高圧を低電圧に変換する。
- ハ. 零相電流を検出する。
- ニ. 大電流を小電流に変換する。 ✓ 正答
解説
この問題は、写真に写っている機器が変流器(CT: Current Transformer)であることを即座に見抜き、その役割を解答する問題です。正解は「ニ. 大電流を小電流に変換する」です。
変流器(CT)の役割と構造
変流器(CT)は、高圧回路などの大きな電流を、電流計や保護継電器で測定・処理可能な小さな電流(一般的に二次側定格電流は5A)に変換して取り出すための計器用変成器です。
この機器はドーナツ状(貫通型)の鉄心に二次巻線が巻かれており、そこに測定対象の電線(一次側)を貫通させることで動作します。電磁誘導の原理により、一次側の電流に比例した小さな電流が二次側から出力されます。
写真から判断する識別ポイント
試験会場で迷わないためには、外観の特徴を記憶しておくことが重要です。 ・中心に太い電線を通すための穴が開いている(貫通型) ・端子台のような形状で、二次側の接続端子が見える ・がいしのような形状(写真の左右部分)があり、高圧回路に設置されることを示唆している
他の選択肢にある「高圧を低電圧に変換する」ものは計器用変圧器(VTまたはPT)であり、これとは用途が異なります。また、「零相電流を検出する」ものは零相変流器(ZCT)ですが、ZCTは電線を一括して貫通させる構造であるため、本問題の写真とは異なります。
なぜこの知識が重要なのか
電気工事士の実務において、変流器は電力の監視や保護において欠かせない機器です。例えば、ビルや工場の配電盤には必ずといっていいほど電流計が設置されていますが、その電流計の針が動くのは、この変流器が回路の主電流を小さな値に縮尺してくれているからです。
また、漏電遮断器や過電流保護継電器(OCR)といった保護機器が、地絡事故や過負荷を瞬時に判断して電気を遮断できるのも、変流器によって電流の情報が正確に伝達されているおかげです。つまり、この機器は電気設備の「目」や「センサー」としての役割を果たしており、安全な電気供給を支える不可欠なコンポーネントであると理解してください。