平成25年度 筆記試験 問17 解説 火力発電の熱サイクル
図は火力発電の熱サイクルを示した装置 線図である。この熱サイクルの種類は。
- イ. 再生サイクル
- ロ. 再熱サイクル ✓ 正答
- ハ. 再熱再生サイクル
- ニ. コンバインドサイクル
解説
この問題は、蒸気の流れを追うだけで瞬時に正解できます。タービンから出た蒸気が再びボイラ(再熱器)に戻り、熱を受け取ってから次のタービンへ向かう様子が描かれていれば、それは「再熱」している証拠です。
蒸気サイクルの構成要素から読み解く
火力発電の効率を向上させるための代表的な手法には「再熱」と「再生」があります。これらは構成図に現れる特有の設備で見分けることが可能です。
・再熱サイクル 高圧タービンから出た湿り気の多い蒸気を、ボイラの「再熱器」で再び加熱します。これにより、低圧タービンに入る蒸気の温度を上げ、タービン出口での湿り度を抑える(=タービンの損傷を防ぐ)とともに、熱効率を向上させます。図中で蒸気がボイラを経由して二段のタービンを回しているのが決定的な証拠です。
・再生サイクル タービン内から一部の蒸気を抜き取り(抽気)、それを給水加熱器へ送って、ボイラへ戻る給水をあらかじめ温めるサイクルです。図の中に「給水加熱器」や「復水器からボイラへ戻る途中で蒸気が分岐している箇所」があれば再生サイクルとなります。
・再熱再生サイクル 上記の再熱と再生、両方の設備を組み合わせたものです。現在の大型火力発電所では、これら両方の手法を組み合わせて極めて高い効率を実現しています。
回路図から機能を判断するプロセス
試験の問題文で図を見たとき、まずはタービンの前後関係を確認しましょう。
- タービンが一つだけか、複数あるか:複数あれば、再熱が隠れている可能性を疑います。
- 蒸気の行き先:タービンを出た線が、一度ボイラ方面に戻っているかを確認します。図のように戻っていれば「再熱」です。
- 給水ラインの変化:復水器からボイラに向かう配管の途中に、タービンからの配管が合流しているかを確認します。合流していれば「再生」です。
本問の図では、高圧タービンと低圧タービンの間をボイラ(再熱器)が仲介しています。この構造こそが再熱サイクルの定義そのものです。
火力発電の効率化という視点
この知識は、単なる暗記ではなく、なぜ電気のコストが変化するのかを理解する出発点となります。
蒸気は圧力が下がると温度も下がり、水分を含みやすくなります。水分(ドレン)がタービン翼に当たると、機械的な損傷の原因になるだけでなく、エネルギーロスにも繋がります。再熱を行うことで、低圧タービン内でも蒸気を乾いた状態に保つことができます。
実務においては、これらのサイクルの違いを理解していることが、発電所の運転特性や設備構成を把握する基礎となります。第一種電気工事士の試験範囲としては、特にサイクルの名称と設備構成図の対応をセットで記憶しておくことが、高得点への近道です。