第一種電気工事士試験 / 平成25年度 筆記試験 / 問5
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平成25年度 筆記試験 問5 解説 三相交流回路の電力

設問図

図のような三相交流回路において、電源電圧はV[V]、抵抗は4[Ω]、誘導性リアクタンスは3[Ω]である。回路の全波相電力[V・A]を示す式は。

選択肢図
  1. V/5
  2. 3V^2/5 ✓ 正答
  3. 9V^2/25
  4. 12V^2/25

解説

この問題は、三相回路の各相にかかる電圧からインピーダンスを求め、皮相電力の合計を計算することで解けます。手順は以下の通りです。

  1. インピーダンスの大きさを計算する:Z=42+32=5[Ω]Z = \sqrt{4^2 + 3^2} = 5 \, [\Omega]
  2. 1相あたりの電流を求める:I=V/Z=V/5[A]I = V / Z = V / 5 \, [A]
  3. 1相あたりの皮相電力を求める:S1=V×I=V×(V/5)=V2/5[VA]S_1 = V \times I = V \times (V / 5) = V^2 / 5 \, [V \cdot A]
  4. 三相全体の皮相電力はこれが3つ分なので:S=3×(V2/5)=3V2/5[VA]S = 3 \times (V^2 / 5) = 3V^2 / 5 \, [V \cdot A]

インピーダンスと皮相電力の基本

交流回路において、抵抗 RR と誘導性リアクタンス XX が直列に接続されている場合、合成インピーダンス ZZ はベクトル的に合成され、Z=R2+X2Z = \sqrt{R^2 + X^2} となります。本問では 4[Ω]4 \, [\Omega]3[Ω]3 \, [\Omega] なので、直角三角形の辺の比(3:4:5)から、インピーダンスは即座に 5[Ω]5 \, [\Omega] と導き出せます。

次に皮相電力 SS ですが、これは電圧 VV と電流 II の積で表されます。単位は [VA][V \cdot A] です。単相回路であれば単純な積ですが、三相回路の場合は各相(各線間)に同じ負荷がかかっているため、1相あたりの電力を求めてからその3倍をすることで全体の電力を算出します。

三相回路における視点

この問題を解く際の思考プロセスは、回路を一度「単相回路の集合体」として捉えることにあります。デルタ(Δ)結線されている三相回路では、線間電圧 VV がそのまま各相の負荷に印加されます。

回路図を見て「三相だから複雑だ」と身構えるのではなく、1つの相だけを取り出して単相回路として計算し、最後に3倍するという手順は、電気工事士試験における最も基本的かつ重要なアプローチです。この「複雑なものを単純な単位に分解する」という手法は、電力計算のみならず、配線工事における電流計算や電圧降下の検討など、現場の実務においても必須となる考え方です。

現場で役立つ電力の知識

今回の問題は理論的ですが、実務では皮相電力だけでなく、有効電力や無効電力の区別も重要になります。例えば、誘導性負荷(モータなど)を扱う場合、今回算出した皮相電力に対して力率を掛け合わせることで有効電力が決まります。

試験勉強を通じてこの計算に慣れておくと、将来的に受電設備の容量検討や、モータの選定などを行う際に、電圧・電流・インピーダンスの関係性を直感的にイメージできるようになります。回路図の背後にある電流の流れとエネルギーの変換を意識することが、合格への近道です。

参考リンク

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