平成24年度 筆記試験 問14 解説 点灯管の名称
写真に示す品物の名称は。
- イ. キセノンランプ
- ロ. ハロゲン電球
- ハ. 点灯管(グロースタータ) ✓ 正答
- ニ. 高圧水銀ランプ
解説
写真に示されているのは、蛍光灯器具に取り付けられる小さな円筒形の部品です。この部品は、内部にバイメタル(熱で変形する金属板)が封入されているのが外観上の大きな特徴であり、これが蛍光灯の点灯に必要な高電圧を発生させる役割を担う「点灯管(グロースタータ)」であることを判断の根拠とします。
点灯管(グロースタータ)の役割
蛍光灯を点灯させるためには、放電を開始させるための高い電圧を瞬時に加える必要があります。点灯管はこの起動時にスイッチの役割を果たす部品です。
まず、電源を入れると点灯管内の放電が始まり、その熱でバイメタルが湾曲して接点が閉じます。すると蛍光灯のフィラメントに予熱電流が流れ、続いて点灯管の接点が開く瞬間に、安定器(コイル)の自己誘導作用によって高いパルス電圧が発生します。このパルス電圧が蛍光灯管内に放電を引き起こし、点灯に至るという仕組みです。
機器判別の着眼点
第一種電気工事士試験において、照明器具に関連する部品の名称を問う問題は頻出です。以下の特徴に注目することで迷わず識別できます。
・点灯管(グロースタータ):写真のようにガラス管の中にバイメタル構造がはっきりと見て取れ、口金部分がねじ込み式になっているものが一般的です。 ・ハロゲン電球:フィラメントが内部にあり、全体が発光する構造です。点灯管よりも大きく、光を出すことが目的です。 ・キセノンランプや高圧水銀ランプ:これらは放電管そのものであり、形状や構造が大きく異なります。特にこれらのような放電灯用の安定器や始動器は、単体で比較すれば一目瞭然です。
実務現場における意味合い
現代の照明設備ではインバータ方式の蛍光灯やLEDへの置き換えが進んでいますが、古い設備の改修やメンテナンスの現場では、今なおグロースタータ式の蛍光灯器具に遭遇することがあります。「蛍光灯がチカチカして点灯しない」といったトラブル相談を受けた際、原因の第一候補となるのがこの点灯管の寿命です。
この問題の教育的意図は、単に名前を暗記することだけでなく、放電現象を利用した照明の歴史的かつ基本的な回路構成を理解しているかを問う点にあります。電気工事士として、古い設備の構造を読み解き、適切な部品交換ができる能力は、トラブルシューティングにおいて非常に重要です。