第一種電気工事士試験 / 平成24年度 筆記試験 / 問12
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平成24年度 筆記試験 問12 解説 誘導電動機のトルク曲線

設問図

図において、一般用低圧三相かご形誘導電動機の回転速度に対するトルク曲線は。

  1. イ. A
  2. ロ. B ✓ 正答
  3. ハ. C
  4. ニ. D

解説

三相かご形誘導電動機のトルク曲線を選択する問題では、「始動時はある程度のトルクがあり、回転速度が上昇するにつれて一度ピーク(最大トルク)を迎え、同期速度に達するとトルクが0になる」という特性の曲線をグラフから選ぶことがポイントです。この特徴に合致する曲線はBです。

誘導電動機のトルク特性

三相誘導電動機は、回転磁界によってかご形ローターに誘導電流が流れ、その電流と回転磁界の相互作用によってトルクが発生する仕組みです。

  1. 始動時(回転速度 0) 停止している状態でも、回転磁界によりローターには大きな電流が流れ、一定の始動トルクを発生させます。そのため、グラフの回転速度0の地点でトルクは0ではありません。

  2. 加速時 回転速度が上がっていくと、滑り(すべり)が減少するため、トルクはいったん増加して最大トルク点に達します。その後、さらに同期速度に近づくにつれてトルクは急激に減少していきます。

  3. 同期速度時 回転子が回転磁界と同じ速度(同期速度)になると、ローターには磁束の変化がなくなり、誘導電流が流れなくなるため、発生するトルクは0になります。

グラフから判断する思考プロセス

選択肢を整理して、どの曲線が何を示しているかを考察します。

  • 曲線B:始動時に正のトルクを持ち、途中から最大トルクを経て同期速度で0になる、標準的なかご形誘導電動機の特性曲線です。
  • 曲線A:回転速度の上昇とともにトルクが単調に減少しています。これは直流分巻電動機に近い特性であり、誘導電動機とは異なります。
  • 曲線C:速度が上がるほどトルクが増加しています。これは負荷側のトルク(送風機などの二乗低減トルク特性)に見られる曲線であり、電動機のトルクとしては不適切です。
  • 曲線D:始動トルクが小さく、速度が上がるほどトルクが減少する急峻なカーブを描いていますが、一般的な誘導電動機のトルク曲線として、最大トルク点を経由する山なりの形状(曲線B)が正解です。

現場での活用と設計上の視点

このトルク特性の理解は、単なる試験対策にとどまらず、現場での機器選定やトラブルシューティングにおいて非常に重要です。例えば、ベルトコンベアのように始動時に大きな力が必要な負荷に対し、電動機の始動トルクが不足していれば回転を始めることができません。また、最大トルク(停動トルク)は、電動機が過負荷に耐えられる限界を示す指標でもあります。

機器を設置する際、銘板に記載された特性と負荷の特性がマッチしているかを確認する能力は、第一種電気工事士として安全かつ効率的な動力設備を扱う上で不可欠な素養となります。

参考リンク

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