平成24年度 筆記試験 問9 解説 漏れ電流の許容値
図のように三相200[V]の電源(対地電圧が150[V]を超え300[V]以下)から、三相誘導電動機2台に電気を供給している。 停電が困難なため、電動機の使用中に、図のA点でクランプ形漏れ電流計を用いて電路の漏れ電流を測定した。 電路の絶縁性能として許容できる漏れ電流の最大値[mA]は。
- イ. 0.2
- ロ. 0.4
- ハ. 1.0 ✓ 正答
- ニ. 2.0
解説
この問題は、電気設備技術基準の解釈に定められた低圧電路の絶縁性能に関する数値を覚えているだけで正解できる暗記問題です。低圧電路においては、絶縁性能が確保されているかの判断基準として「漏えい電流を1mA以下に保つこと」と規定されています。したがって、回答は1.0mAとなります。
低圧電路の絶縁性能と漏えい電流
電気設備技術基準の解釈では、電路の絶縁性能について原則的な基準を設けています。絶縁抵抗値が測定できない場合(停電が困難な場合など)の代替手段として、漏えい電流を測定する方法が認められています。
このとき、絶縁状態が良好であるとみなすための境界値が1mAです。漏えい電流が1mAを超えているということは、電路の絶縁劣化が進んでいるか、あるいは接地不良などの問題が発生している可能性が高いと判断されます。この基準は、対地電圧の高さや供給電圧の種類(単相か三相か)に関わらず、低圧電路全般に共通して適用されるルールです。
試験問題としての構造と論点
この問題の意図は、絶縁抵抗計(メガー)による測定が難しい実務現場において、クランプ形漏れ電流計を用いた維持管理の手法を理解しているかを問うことにあります。
試験では「三相200V」や「対地電圧150V超」といった具体的な電圧条件が提示されますが、これらは注意をそらすための情報です。低圧電路の保守点検において、漏えい電流の最大値という問いが出た場合、その答えは常に1mAという基本原則さえ押さえていれば、迷わず選択肢の「1.0」を選ぶことができます。
実務においては、この数値を基準として、定期的なメンテナンスや、漏電遮断器が頻繁に作動する原因の調査に活用されます。例えば、複数の機器を接続している場合、それぞれの機器からわずかな漏れ電流が重畳し、全体で1mAを超えてしまうことがあります。このような場合、どの機器が劣化しているのかを切り分けるためにクランプ形漏れ電流計が重宝されます。