平成23年度 筆記試験 問45 解説 機器の動作特性試験器
⑤で示す機器の動作特性試験に用いるものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
機器の名称と用途を写真から判断します。保護継電器(OCRなど)の動作特性試験には、任意の電流や電圧を擬似的に発生させて継電器へ印加する「継電器試験装置」を使用します。写真のイは、大電流出力端子やタイマー機能を備えた継電器試験装置そのものです。他の選択肢はそれぞれ役割が異なるため、消去法で絞り込みます。
各測定器の役割と判別
試験問題で頻出する測定器は、その外観と主な用途をセットで暗記しておくことが重要です。
・イ:継電器試験装置 過電流継電器(OCR)や地絡継電器(GR)などの保護継電器が、設定された値で正しく動作するか、あるいは設定された時間で遮断器を動作させるかを確認するための装置です。試験電流を流すための大電流発生部と、動作時間を計測するタイマーが組み込まれています。
・ロ:絶縁油耐圧試験装置 絶縁油の絶縁破壊電圧を測定する装置です。電極間に絶縁油を入れ、電圧を徐々に上げていき、放電が起こる電圧を測定します。球状や円板状の電極が露出しているのが特徴です。
・ハ:絶縁抵抗計(メガー) 電路と大地間、または電線相互間の絶縁抵抗を測定します。ハンドルを回して発電するタイプや電池式があり、メガオーム単位の値を測定します。
・ニ:接地抵抗計 接地極の接地抵抗値を測定する装置です。補助接地極(P極、C極)を使用して、電位降下法により測定を行います。端子にE、P、Cの文字があるのが識別ポイントです。
試験対策としての考え方
第一種電気工事士試験におけるこの種の問題は、現場での保守・点検業務を想定しています。保護継電器は、事故発生時に遮断器を確実に作動させるためのいわば「システムの番人」です。そのため、竣工検査や定期点検において「設定通りに動くか」を試験することは極めて重要な工程です。
写真問題では、測定対象が「何を測定したいものか」を具体的にイメージしてください。
- 動作時間や引きはずし電流を調べたい → 継電器試験装置(イ)
- 油の絶縁性能を調べたい → 絶縁油耐圧試験装置(ロ)
- 電気の逃げ道がないか調べたい → 絶縁抵抗計(ハ)
- 接地の取り具合を調べたい → 接地抵抗計(ニ)
このように目的と装置を紐付けて整理することで、初見の装置が出題されても機能から逆算して回答できるようになります。
現場での活用
実務では、保護継電器試験は電気設備の保安管理において必須の業務です。特に自家用電気工作物では、定期的な動作試験記録の保管が法令で義務付けられています。この試験装置を使いこなすことは、電気設備が万が一の事故の際に正しく守られるかどうかを左右する、非常に責任のある仕事です。試験勉強を単なる知識の暗記とせず、「自分が現場でこの装置を操作する場面」を想像しながら取り組むと、記憶への定着がぐっと良くなります。