第一種電気工事士試験 / 平成23年度 筆記試験 / 問3
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平成23年度 筆記試験 問3 解説 並列交流回路の消費電力

設問図

図のような回路において、電源電圧は100〔V〕、 回路電流は25〔A〕、リアクタンスは5〔Ω〕 である。この回路の抵抗Rの消費電力〔W〕は。

  1. イ. 1000
  2. ロ. 1500 ✓ 正答
  3. ハ. 2000
  4. ニ. 2500

解説

この問題は、並列回路における電流のベクトル合成の考え方を用いて解きます。手順は以下の通りです。

  1. リアクタンスに流れる電流 ILI_L を求める: IL=100/5=20[A]I_L = 100 / 5 = 20 [A]
  2. 回路全体の電流 II を用いて、抵抗に流れる電流 IRI_R を求める: IR=I2IL2=252202=15[A]I_R = \sqrt{I^2 - I_L^2} = \sqrt{25^2 - 20^2} = 15 [A]
  3. 抵抗の消費電力 PP を求める: P=V×IR=100×15=1500[W]P = V \times I_R = 100 \times 15 = 1500 [W]

並列回路における電流の性質

交流回路において、抵抗とリアクタンスが並列に接続されている場合、それぞれの両端には電源電圧がそのままかかります。このとき、抵抗を流れる電流 IRI_R と、リアクタンスを流れる電流 ILI_L は位相が異なります。具体的には、抵抗電流は電圧と同相ですが、誘導性リアクタンスであれば電流は電圧より90度遅れます。

そのため、回路全体に流れる電流 II を単純に足し合わせることはできず、ベクトルとして扱う必要があります。この関係は直角三角形の斜辺と二辺の関係に当てはめることができ、I2=IR2+IL2I^2 = I_R^2 + I_L^2 というピタゴラスの定理に基づいた式で表されます。

ベクトル合成の考え方

この問題では、合計の電流値 25[A]25 [A] が与えられていますが、これが直感的な単純和ではないことに注意が必要です。回路が並列であるため、電圧 100[V]100 [V] は共通です。まずリアクタンスに注目し、オームの法則 I=V/XI = V / X を用いて、リアクタンス側の電流 20[A]20 [A] を確定させます。

次に、この 20[A]20 [A] と未知の抵抗電流 IRI_R が直角に交わった結果、合計で 25[A]25 [A] になるという関係性を利用します。この三角形は、有名な 3:4:53:4:5 の比率になっており、IR=15[A]I_R = 15 [A] と瞬時に導き出すことができます。消費電力は純粋に抵抗成分で発生するため、P=V×IRP = V \times I_R の式に代入することで答えが得られます。

実務および学習における重要性

この問題は、単に数値を計算させるだけでなく、交流回路における「有効電力」と「無効電力(または無効電流)」の分離を理解しているかを確認するためのものです。

現場において、モーターなどの誘導性負荷とヒーターなどの抵抗負荷が混在する回路を設計・管理する際、全体の電流(皮相電流)を把握することは非常に重要です。たとえ負荷に流れる個々の電流の単純合計がブレーカーの容量を超えていそうに見えても、ベクトル的に合成された値であれば安全に運用できる場合があります。こうした知識は、電気設備の容量計算や力率改善の検討を行う上で、避けて通ることのできない基礎的な力となります。

参考リンク

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