平成23年度 筆記試験 問1 解説 コンデンサの静電エネルギー
図のような回路において、静電容量1〔μF〕の コンデンサに蓄えられる静電エネルギー〔J〕は。
- イ. 0.75
- ロ. 3.0
- ハ. 4.5 ✓ 正答
- ニ. 9.0
解説
この問題は、直列接続されたコンデンサの電圧分担を正しく把握し、静電エネルギーの公式に当てはめることで解くことができます。まず、2つのコンデンサに配分される電圧のうち、1μFのコンデンサにかかる電圧を算出し、その後にエネルギー計算を行うという2段階の手順で進めます。
コンデンサの直列接続における電圧の分配
コンデンサを直列に接続した場合、各コンデンサに蓄えられる電荷 [C] は等しくなります。公式 より、電圧 は静電容量 に反比例することがわかります。つまり、容量が小さいコンデンサほど、高い電圧が加わります。
抵抗の直列接続では抵抗値に比例して電圧が分かれますが、コンデンサでは「容量の逆比」で電圧が分かれるという点が、計算ミスを防ぐための重要な知識です。
2つのコンデンサ [μF]、 [μF] が直列に接続されているとき、電源電圧 に対して にかかる電圧 は以下の式で求められます。
1μFのコンデンサに蓄えられるエネルギーの算出
問題の回路では、電源電圧 V、 μF、 μF です。
まず、1μFのコンデンサにかかる電圧 を求めます。
V
次に、静電エネルギー [J] の公式 を使用します。ここで は 1μF、つまり F です。
J
したがって、正解は選択肢「ハ」の 4.5 となります。
教育的意図と実務への応用
この問題は、単に公式を暗記しているかどうかだけでなく、直列回路におけるエネルギーの偏りを理解しているかを問うています。
第一種電気工事士が扱う高圧受電設備(キュービクル)には、力率改善のために「進相コンデンサ」が設置されます。もし複数のコンデンサを組み合わせて使用する場合、特定の個体に過電圧がかからないよう設計・管理する必要があります。また、コンデンサは電源を切った後もこの計算で得られたような大きなエネルギーを保持し続ける性質があるため、点検時には「放電コイル」などで安全に電荷を逃がす処置が不可欠です。
計算上、回路全体の合成静電容量からトータルのエネルギーを求めたくなるかもしれませんが、設問はあくまで「1μFのコンデンサに」限定されています。現場でのトラブル対応においても、システム全体の問題なのか、特定の部品(この場合は1μFのコンデンサ)の負荷耐性の問題なのかを切り分けて考える思考プロセスが求められます。