第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問19 解説 送信機の混信原因
送信機で28〔MHz〕の周波数の電波を発射したところ、FM放送受信に混信を与えた。送信側で考えられる混信の原因で、正しいのはどれか。
- 1/3倍の低調波が発射されている。
- 同軸給電線が断線している。
- スケルチを強くかけすぎている。
- 第3高調波が強く発射されている。 ✓ 正答
解説
この問題は、送信機の基本周波数と高調波の関係を計算し、その結果が混信を与える周波数帯に含まれているかを判断することで解くことができます。
基本周波数と高調波の計算
送信機から発射される電波には、目的とする周波数(基本波)のほかに、その整数倍の周波数を持つ不要な電波(高調波)が含まれることがあります。
この問題では28 MHzの電波を発射した際に混信が起きています。各選択肢にある「高調波」を計算して、FM放送の周波数帯(76 MHzから95 MHzの範囲)に該当するかを確認します。
今回の計算は以下の通りです。 ・第2高調波:28 MHz × 2 = 56 MHz ・第3高調波:28 MHz × 3 = 84 MHz
計算の結果、第3高調波の84 MHzがFM放送の受信周波数帯域に含まれるため、これが混信の原因であると導き出せます。
なぜ高調波が発生するのか
送信機の増幅器などで信号を増幅する際、回路の非線形性という特性により、基本波の整数倍の成分が発生してしまうことがあります。これらが必要以上に強く発射されると、その周波数を使っている他の通信や放送に対して妨害を与えてしまいます。
アマチュア無線の運用において、自分の電波が他の放送に影響を与えていないかを知ることは非常に重要です。たとえ送信機が正常に動作していても、意図せず高調波が強く出てしまうケースがあるため、ローパスフィルタなどを活用して不要な成分を除去する対策が必要になることがあります。
混信対策の考え方
この問題の教育的意図は、送信機が基本波以外の電波を発射するリスクを理解させることにあります。もし自身の無線局が周囲のテレビやFMラジオに混信を与えている場合、まずは送信している周波数の高調波が、その受信機の受信帯域と重なっていないかを疑うのがトラブルシューティングの第一歩となります。
実際の運用現場では、電波法によって高調波の強度は厳しく制限されています。電波障害が発生した際は、送信機とアンテナの間にフィルタを挿入して不要な高調波を抑圧する、あるいはアンテナの位置や向きを見直すといった対策を講じることがアマチュア無線家として求められるスキルです。