第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問13 解説 交流回路の性質
次の記述で誤っているのはどれか。
- 1. 導線の抵抗が大きくなるほど、交流電流は流れにくくなる。
- 2. コイルのインダクタンスが大きくなるほど、交流電流は流れにくくなる。
- 3. コンデンサの静電容量が大きくなるほど、交流電流は流れにくくなる。 ✓ 正答
- 4. 導線の断面積が小さいほど、交流電流は流れにくくなる。
解説
交流回路におけるコンデンサの性質を理解すれば、一瞬で答えが出せる問題です。コンデンサにとって、交流電流を流しにくくする抵抗成分(リアクタンス)は、静電容量が大きくなるほど小さくなる、という逆の関係があることを覚えておきましょう。
コンデンサと交流電流の関係
コンデンサに交流電圧を加えると、その回路には電流が流れます。このとき、コンデンサが電流をどれだけ妨げるかを表す指標を「容量性リアクタンス(Xc)」と呼びます。この値は以下の式で求められます。
ここで、 は周波数、 は静電容量です。式を見ると、 が分母にあることがわかります。つまり、静電容量 が大きくなればなるほど、リアクタンス の値は小さくなり、結果として交流電流は流れやすくなるのです。
消去法による判断の組み立て
各選択肢が正しいかどうかを判断する際は、以下の視点を持つとスムーズです。
- 導線の抵抗(電気抵抗)は大きいほど電流が流れにくい。これは直感通りです。
- コイルのインダクタンスは、交流に対して「誘導性リアクタンス」として働き、大きくなるほど電流を妨げます。
- コンデンサの静電容量は、大きくなるほど「電気を蓄える能力」が上がり、結果として交流を通しやすくなります。
- 導線の断面積が小さいと電気抵抗が増えるため、電流は流れにくくなります。
このように整理すると、選択肢3だけが「流れにくくなる」と述べており、事実に反していることがわかります。
この知識が役立つ場面
無線機の回路設計やアンテナの調整において、この知識は非常に重要です。例えば、アンテナの整合回路やフィルター回路では、特定の周波数成分を通したり遮断したりするためにコンデンサが多用されます。
「静電容量を大きくすれば交流が通りやすくなる」という基本原理を知っていれば、例えば「低い周波数のノイズをもっとカットしたい」「より多くの高周波成分をバイパスさせたい」といった調整を行う際に、コンデンサの容量を増やすべきか減らすべきか、即座に判断できるようになります。この問題は、単なる暗記ではなく、回路素子の性質を物理的に理解しているかを問うているのです。