第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.1) 問22 解説 電波の伝わり方
図に示す、超短波(VHF)帯における電波通路 A、B のうち、A の伝わり方をするのは、次のうちどれか。
- 1. 地表波
- 2. 大地反射波
- 3. 電離層反射波
- 4. 直接波 ✓ 正答
解説
この問題は、送信アンテナと受信アンテナの間を最短距離で直線的に結んでいる経路 A が何かを問うています。送信アンテナから直接相手のアンテナへ届く電波のことを直接波と呼ぶため、正解は 4 となります。
電波の伝わり方の分類
VHF帯のような高い周波数の電波は、基本的には見通し距離内を直線的に進む性質があります。この電波の伝わり方にはいくつか種類があり、図のようにアンテナ間で直接行き来するものを直接波といいます。
一方で、経路 B のように一度地面で反射してから受信アンテナに到達するものを大地反射波といいます。直接波と大地反射波は、受信側で打ち消し合ったり強め合ったりすることがあり、これをフェージングと呼ぶ現象の一因にもなります。
その他の選択肢にある電離層反射波は、より低い周波数帯(短波など)で電離層に反射して遠くまで飛ぶ性質のものを指し、地表波は地面に沿って伝わる長波や中波の伝搬形式を指します。これらはVHF帯では通常考慮されません。
正解を導くための見方
試験問題で図示された経路を見るときは、その電波が「どこを通過しているか」に注目してください。
- 送信と受信を最短距離で結んでいるか(直接波)
- 地面を経由して跳ね返っているか(大地反射波)
- 空の高いところへ向かっているか(電離層波)
このように視覚的に分類するだけで、名称との結びつきが明確になります。今回の図では、経路 A は遮るものなく直線的に進んでいるため、直接波であると即座に判断できます。
実際の運用での活用
この知識は、アマチュア無線で交信を行う際に非常に重要です。VHF帯で安定した通信を行うためには、障害物のない見通し距離を確保することが基本となります。
たとえば、山の上にアンテナを設置したり、高いタワーを立てたりするのは、この「直接波」をより確実に相手へ届けるためです。逆に、大地反射波の影響によって電波の強さが不安定になる場合には、アンテナの高さや設置場所をわずかに変えることで改善を図ることができます。この「電波が見通しを直進する」という基本性質を理解しておくことで、効率の良いアンテナ設置や交信場所の選定が可能になります。