第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.1) 問17 解説 受信機の近接選択度
スーパーヘテロダイン受信機の近接周波数に対する 選択度特性に、最も影響を与えるものは、次のうち どれか。
- 1. 中間周波増幅器 ✓ 正答
- 2. 高周波増幅器
- 3. 周波数変換器
- 4. 定電圧回路
解説
スーパーヘテロダイン受信機の「選択度」に関する問題は、この構成の受信機の心臓部がどこにあるかを問う頻出問題です。近接周波数に対する選択度を決定づけるのは「中間周波増幅器」であると即答できるようにしましょう。
なぜ中間周波増幅器が重要なのか
スーパーヘテロダイン方式の最大の特徴は、受信した高い周波数の信号を、一定の低い周波数(中間周波:IF)に一度変換してから増幅・検波する点にあります。
受信機にとっての「選択度」とは、欲しい信号だけを取り出し、不要な隣接信号をいかにうまく排除できるかという能力です。高い周波数のまま信号を選別しようとすると、回路設計や性能維持が非常に困難になります。しかし、あらかじめ決まった低い周波数(中間周波)に変換してしまえば、そこで使用するフィルタ回路(セラミックフィルタやクリスタルフィルタなど)の性能を最大限に引き出し、急峻な特性で不要な信号をカットすることが可能になります。
つまり、中間周波増幅器の段に組み込まれたフィルタこそが、受信機の「耳の良さ(特定の電波だけを聞き分ける能力)」を左右する中心的な役割を果たしているのです。
受信機の構成から考える正解への道筋
問題文の選択肢にある各パーツが受信機の中でどのような役割を担っているかを整理すると、正解の妥当性がよく見えてきます。
高周波増幅器は、アンテナから入ってきた微弱な電波を増幅し、感度を上げるのが主な役目です。周波数変換器(局部発振器と混合器)は、受信周波数を中間周波に変換する役割です。定電圧回路は、各回路に安定した電圧を供給して動作を安定させるための電源系です。
これらの中で、特定の周波数だけを鋭く切り出す「選択」に特化した役割を担っているのは、中間周波増幅器です。この問題は、スーパーヘテロダイン方式のメリットである「変換することで得られる高い選択度」という根本的な仕組みを理解しているかを問うています。
この知識が役立つ場面
実際に無線機を操作したり、アンテナを設置したりする際、この知識は「なぜ受信機にフィルタ機能が重要なのか」を理解する助けになります。例えば、混信(近くの周波数の電波が入り込むこと)が発生したとき、最近の高性能な無線機では中間周波フィルタの帯域幅を切り替える機能(IFシフトやパスバンドチューニング)が備わっていることがあります。
「選択度が決まる場所=中間周波増幅器」という知識があれば、無線機の設定画面を見たときに、どのつまみが混信除去に効くのかを直感的に理解できるようになります。試験のためだけでなく、運用時のトラブルシューティングの基礎知識としても非常に重要な概念です。