第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) 問22 解説 受信機の構成
図に示す DSB (A3E) スーパーヘテロダイン受信機の構成には誤った部分がある。これを正しくするにはどうすればよいか。
- 1. (A) と (D) を入れ替える。
- 2. (B) と (C) を入れ替える。
- 3. (D) と (F) を入れ替える。
- 4. (E) と (F) を入れ替える。 ✓ 正答
解説
この問題は、スーパーヘテロダイン受信機の標準的な信号の流れを理解していれば即答できます。具体的には、受信信号が「高周波から中間周波へ変換され、中間周波で増幅された後に、音声成分を取り出し(検波)、最後に大きくして聞く(低周波増幅)」という順序を記憶しているかが鍵です。今回の図では、検波器(F)と低周波増幅器(E)の順番が逆になっているため、この二つを入れ替えるのが正解です。
スーパーヘテロダイン受信機の信号処理順序
スーパーヘテロダイン受信機は、受信した微弱な高周波信号を、扱いやすい中間周波信号(IF)に変換することで、高い感度と選択度を得る仕組みです。この一連の動作において、信号は以下の順序で処理されます。
- 高周波増幅器(RF増幅): アンテナから入った微弱な信号を少し強めます。
- 周波数混合器と局部発振器: 受信したい信号と、局部発振器の信号を混ぜて、中間周波に変換します。
- 中間周波増幅器(IF増幅): 変換された中間周波信号を強力に増幅し、雑音を除去します。
- 検波器: 増幅された中間周波信号から、音声などの情報信号(低周波成分)を取り出します。
- 低周波増幅器(AF増幅): 取り出した音声信号を、スピーカーを駆動できるレベルまで大きくします。
この流れの中で、検波器は「中間周波(高い周波数)」から「低周波(音声信号)」に変換する境界点です。したがって、検波器を通った後に初めて低周波増幅器が動作する必要があります。今回の図は「先に低周波を増幅してから検波する」という、論理的に成立しない構成になっているため、(E)と(F)の入れ替えが必要です。
思考の組み立て方
この問題を解く際の思考プロセスは「流れの整合性」を確認することにあります。電気回路図のブロック線図を見る際は、左から右へ信号が流れると考えてください。
検波(復調)とは、高周波の波形から情報の波を取り出す作業です。もし、検波器より先に低周波増幅器が置かれていると、まだ変調されたままの信号を増幅することになり、目的の音声は取り出せません。このように、「まず目的の信号を取り出してから増幅する」という基本原則を思い出せば、どのブロックが先で、どれが後かという判断に迷わなくなります。
受信機の構造を知る意味
アマチュア無線の試験問題としてこの構成を問う意図は、単なる暗記以上に「無線機の中で信号がどのような変遷をたどるか」という受信のメカニズムを理解させることにあります。
実際の無線機を扱う際、例えば「感度が悪い」「ノイズが多い」といったトラブルが発生したときに、どのブロックで不具合が起きているのかを推測する力につながります。スーパーヘテロダイン方式は、現代の多くの無線機やラジオの基礎となっている技術です。この流れを頭に入れておくことは、無線機の操作や簡易的なメンテナンスを行う上で非常に重要な教養となります。