第三級アマチュア無線技士 / 第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) / 各問題解説 / 問21
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第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問21 解説 FM送信機のIDC回路

FM (F3E) 送信機において、IDC回路を設ける目的で、正しいのは次のうちどれか。

  1. 1. 周波数偏移を制限する。 ✓ 正答
  2. 2. 寄生振動の発生を防止する。
  3. 3. 発振周波数を安定にする。
  4. 4. 高調波の発生を除去する。

解説

選択肢の中から「周波数偏移を制限する」という記述を選べば正解です。IDCとはInstantaneous Deviation Controlの略で、直訳すると「瞬時周波数偏移制御」です。名前の通り、送信機が扱う信号の大きさを監視して、決められた範囲を超えないように調整する役割を担っています。

なぜ周波数偏移を制限する必要があるのか

FM通信において、周波数偏移とは「音声などの入力信号によって、中心周波数がどれだけ上下に揺れるか」を指します。マイクに向かって大きな声で話したり、叫んだりすると、入力信号の電圧が急激に高くなります。もし制御回路がないと、この大きな入力に従って周波数偏移が過大になり、自分が割り当てられた通信用チャンネルの幅(占有周波数帯幅)を大きくはみ出してしまいます。

隣のチャンネルにまで電波がはみ出すと、他の利用者の通信を妨害する「混信」の原因となります。これを防ぐために、あらかじめ回路内で一定以上の振幅を制限し、決められたルール(電波法)を守るのがIDC回路の役割です。

試験問題としての構造と見極め方

この問題は、FM送信機を構成する各回路の「役割」を理解しているかを問う典型的な知識問題です。選択肢にある他の機能についても、どの回路が担当しているかを整理しておくと、類似問題が出題された際にも迷わなくなります。

・周波数偏移を制限する:IDC回路 ・寄生振動を防止する:中和回路や適切なシールド・フィルタ処理 ・発振周波数を安定にする:水晶発振回路やPLL回路 ・高調波を除去する:低域通過フィルタ(LPF)などのフィルタ回路

「FM送信機といえば何が重要か」と考えたとき、音声をいかに歪ませずに、かつ法的な制限内に収めて送出するかが重要です。試験では、回路の名称と機能が1対1で結びついているかを冷静にチェックしてください。

実践的な知識としてのIDC

実際の無線機器を扱う際、IDC回路は「オートリミッター」のような働きをしているとイメージすると分かりやすいでしょう。高級なアマチュア無線機や業務用無線機では、この制御が非常に自然に行われるように設計されています。

もしIDC回路が故障していたり、あるいは不適切に改造して調整したりすると、いくら良い音で送ろうとしても、過変調によって信号が汚れてしまいます。電波法を守り、周囲に迷惑をかけないクリアな通信を行うことは、アマチュア無線家としての基本的なマナーです。この問題は、送信機がどのようにして「法的な幅」を維持しているかという、無線工学の土台を問うているといえます。

参考リンク

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