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第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.2) 問19 解説 PLLの構成

設問図

図は、位相同期ループ(PLL)を用いた一般的な発振器の構成例を示したものである。[ ] 内に入れるべき字句で、正しいのは次のうちどれか。

  1. 1. 帯域フィルタ(BPF)
  2. 2. 帯域除去フィルタ(BEF)
  3. 3. 低域フィルタ(LPF) ✓ 正答
  4. 4. 高域フィルタ(HPF)

解説

この問題は、位相同期ループ(PLL)のブロック図において、位相比較器と電圧制御発振器(VCO)の間に配置される部品を問うものです。正解は「低域フィルタ(LPF)」となります。

判断のポイントは、位相比較器がどのような信号を出力し、後続の電圧制御発振器がどのような信号を求めているかを理解することです。

PLLにおけるフィルタの役割

PLL回路の目的は、基準となる水晶発振器の安定した周波数に、出力信号の周波数を同期(ロック)させることです。

位相比較器は、基準信号と出力信号の位相差を検出し、その差に応じた電圧を出力します。しかし、この出力信号には、比較した結果生じる高周波成分(不要な雑音やうなり成分)が含まれてしまっています。そのままこの信号を電圧制御発振器に入れてしまうと、周波数が安定せず、ジッタやノイズの原因となります。

そこで、必要な周波数成分(誤差電圧という直流に近い変化)だけを通過させ、高周波成分を取り除くために用いられるのが低域フィルタです。低域フィルタを通すことで、電圧制御発振器には滑らかで安定した制御電圧が供給され、目的の周波数でロックがかかる仕組みになっています。

解答に至る思考プロセス

  1. PLLの仕組みを思い浮かべる: PLLは帰還回路の一種です。基準信号と出力信号を比較し、その差をゼロにするように制御をかけます。
  2. ブロック図上の位置を確認する: 問題図において、四角の囲みは位相比較器のすぐ右側にあります。ここは比較の結果を制御信号に変換する重要な場所です。
  3. 信号の性質を考える: 位相比較器の出力は、2つの信号の差を表す情報を持っています。この信号を電圧制御発振器に渡す際、不要な高周波ノイズをカットする必要があります。
  4. 選択肢から絞り込む: 帯域フィルタや帯域除去フィルタは特定の周波数だけを通過・遮断するものであり、PLLの制御電圧を平滑化する目的には適しません。低周波のみを通す低域フィルタが最適であると判断できます。

無線機におけるPLLの重要性

この回路構成は、現代の無線通信機器において極めて重要です。私たちが使うハンディトランシーバーや携帯電話などは、周波数を正確かつ自由に変更する必要があります。PLL技術があるおかげで、基準となる1つの水晶発振器から、非常に正確で安定した多様な周波数を作り出すことが可能になっています。

この問題の教育的意図は、単なる知識の暗記ではなく、PLLの各ブロックが「信号をどのように処理して目的の安定した発振を得ているか」という流れを理解させることにあります。回路図の役割分担を把握しておくことは、故障診断や機器の特性理解にもつながる基本的な知識です。

参考リンク

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